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【寝ぐせ】お寝坊さんの妹
うーん、いいのかな。玄葉が起きて来ない。確か今日は、スタジオ収録の予定があったからそろそろ朝ごはん食べないと間に合わないんじゃないだろうか。そんな風に考えた私が玄葉の部屋を覗くと、玄葉は気持ち良さそうに寝ていました。昨日遅くまで起きていたのかな。配信アーカイブを確認すると、どうやらホラーゲーム配信をしていたようです。 「いつもより動画時間長いなぁ。何があったんだろ」 最後の方を見て見ると、どうやらそろそろ終わろうとした矢先にクライマックスのイベントが始まってしまい、セーブできないままクリアまでやる羽目になったようです。それで今日は寝過ごしているのか。 「玄葉、玄葉。起きてよ。今日はスタジオ行くんでしょ」 「ん~」 私が声を掛けると玄葉はあくびをしながら身を起こしました。寝ぐせがひどくて、超眠そうです。 「ほら、シャワー浴びて朝ごはん食べないと遅刻しちゃうよ?」 「ねむぅい・・・おにぃがしゃわーあびさせてぇ・・・」 朝から何て刺激的な事を言うのでしょう。いくら何度も一緒にお風呂に入った仲とはいえ、もうやめるって約束したのに。第一、一緒にお風呂に入っただけであって体を洗ってあげた覚えはありません。さて、どうしたものか。 「あ、そうだ」 私はリビングに引き返すと、救急箱の中から虫刺されの塗り薬を取り出しました。清涼成分が入っていて、塗るとスゥーッとするやつです。それを持って玄葉のところに行き、おもむろにその薬を玄葉の露出した肩に塗り込みました。 「ぴっ・・・きゃあああああああ!?」 家全体を震わせるような大きな悲鳴が上がりました。流石に敏感なところにこの薬を塗られた衝撃は大きかったようで、一発でお目覚めです。よかったよかった。 ・・・え、その後?玄葉に滅茶苦茶げしげしと蹴られました。 「馬鹿!お兄の馬鹿!私の肩が胸と同じくらい敏感って知ってるくせに!肩に虫刺されの薬塗るとか信じられない!乳首に塗られるのと同じくらいの刺激だったんだから!」 「痛い痛い、やめなさい玄葉。それよりシャワー入って朝ごはん食べないと」 「後で覚えてなさいよ変態お兄!でも起こしてくれてありがとう!」 恨み言とお礼を言って、慌ただしく外出の準備に取り掛かる玄葉。やれやれ、帰ってきた後が怖いな・・・。