thumbnailthumbnail-0thumbnail-1thumbnail-2thumbnail-3thumbnail-4thumbnail-5thumbnail-6thumbnail-7

1 / 8

【エイプリルフール】復活

今日は金剛院邸にやって来ました。何でもコマメちゃんの新しいボディが用意できたとか。玄関ホールに足を踏み入れると、ちまっとしたメイドさんがとてとてと近づいてきました。 「いらっしゃいませ、パパ」 「えっ」 よく見ると、身長がかなり縮んでいますが顔立ちはコマメちゃんです。ま、まさか新しいボディってこの子供みたいな身体なの!?材料が足りなかったのかな。 「こ、コマメちゃんなんだよね?」 「はい。元通りの身体にはなれませんでしたが、コマメの中身は以前と変わらないコマメです」 そ、そう言われてもギャップが大きいなぁ。元通りコマメちゃんって呼ぶの、ちょっと違和感があるぞ。 「ちっちゃいコマメちゃんだから、小(しょう)マメ・・・いや、ちびマメちゃん?それともロリマメ・・・駄目だな、子供だから子マメ?それだと音が同じだなぁ。ううん、何かいい感じの呼び方があればいいのに」 「ピピー。それならば、小という感じは『お』とも読みます。オマメちゃんではいかがですか」 まあ、それが元々の呼び方と音が近くて一番マシかな。 「そうだね、そう呼ぼうか。やっぱりロボットだから賢いね。オマメちゃん、なでなでしてあげる」 私はかがみこんで、オマメちゃんの頭をなでなでしてあげました。 「早渚さん!あなたって人は、またうちのロボットに妙な事吹き込んで!」 「あ、花梨さん」 いつの間に来たのか、花梨さんが腰に手を当ててたいそう不満げにこちらを睨んでいます。 「ちょっとどうかと思いますよ。ロボットとはいえ、こんな小さい外見の子相手に、その、お、オマメちゃんなでなでするとか、いかがわしいにも程があります!」 「えっ、い、いかがわしい?」 頭撫でるのって駄目だったのかな。あ、でも確かに頭を撫でるのをセクハラにとらえる人もいるって言うし、まずいのか。 「ピピー。花梨先輩、何がいかがわしいのでしょう。パパはコマメ改めオマメの頭をなでなでしていただけですが」 「えっ、コマメ改めオマメって・・・あっ」 花梨さん、何かに気付いたみたいに剣幕が引っ込んだな。すごくきまり悪そうにしているけど。 「花梨先輩、何がいかがわしいのでしょう?オマメに学習データの提供を要求します」 「い、言えるわけないでしょ!もう、この話はおしまい!」 何だったのだろう。まあ、この様子では問い詰めても言わないだろうから、スルーしておくか。 「パパ、こっちに来てください」 オマメちゃんが私に手を伸ばします。私がその手を握ると、とてとてとオマメちゃんは歩き出しました。前より歩行動作がスムーズになったように感じます。 「どこに行くの?」 「この部屋です」 オマメちゃんがドアを開けて、私を中に案内します。そこで私を待っていたのは。 「えっ!?こ、コマメちゃん!?」 「ぶい。パパ、騙されましたね。コマメはここにいます。その子はコマメではありません」 ダブルピースをした、前と変わらないコマメちゃんの姿。私が傍らのオマメちゃんを見ると、電源が切れたかのように動作が止まっていました。 「今日はエイプリルフールですので、パパを騙してみました。そちらの小さなボディは、コマメのスペアボディです。コマメのボディを新調した際に、材料が余りましたので博士がスペアにと小さ目ボディを作ったのです。ただ、同じAIの指令で動いているので同時に動作はさせられず、どちらか一つのボディしか動かせません。切り替えは無線で行えるので、いつでもどちらのボディを動かすか選択できます。パパ、びっくりしましたか」 「うん、びっくりしたね」 私たちがそんな会話をしていると、花梨さんがやってきました。後ろには、苦い顔をした江楠さんが立っています。 「あれ、江楠さん。こんにちは」 「ああ、早渚君もいたのか。どうも。さて、コマメちゃんだったかな、そのロボットは」 「はい。コマメはコマメです。何の御用でしょうか」 Vサインで江楠さんに応じるコマメちゃん。江楠さん、コマメちゃんに話があるのかな。 「聞きたい事があってねェ。紅が君を爆破した時、奴はどれくらい重傷を負っていた?」 「ピピー。機能停止したので目視確認は出来ていません。ただ、コマメのボディが破壊されるほどの爆破を至近距離で受けた人間がどれほどの怪我を負うのか計算は可能です。計算上、左腕の肘から先と腹部の8割が失われたと考えられます」 それは紅、出血多量で死ぬんじゃないか?よくこの町から逃げ出す余力があったな。私の考えをよそに、江楠さんは暗い顔で告げました。 「上海で紅が目撃された」 「えっ・・・ああ、エイプリルフールですか。悪い冗談はやめてくださいよ江楠さん」 私は笑い飛ばしましたが、江楠さんは真剣そのものの態度を崩しません。・・・まさか、本当に? 「五体満足、無傷の状態だったそうだ。やはりあいつ、何か裏があるねェ。普通の人間とは思えない」 江楠さんは用事は済んだとばかりに踵を返して立ち去りました。残された私たちは、不吉な予感を感じずにはいられません。 「パパ、怖い顔をしています。オマメをだっこして癒されてみませんか」 再び動き出したオマメちゃんが両手で抱き着いてきました。私はオマメちゃんを撫でてあげながら、花梨さんと不安そうに視線をかわすばかりでした。

コメント (13)

magic
2025/04/02 13:47

早渚 凪

2025/04/03 10:31

うろんうろん -uron uron-
2025/04/01 14:39

早渚 凪

2025/04/01 16:12

水戸ねばる

復活、エイプリルフールじゃなくて良かった

2025/04/01 14:36

早渚 凪

コマメちゃんの復活は歓迎ですが、紅まで復活しました・・・

2025/04/01 16:12

T.J.
2025/04/01 13:26

早渚 凪

2025/04/01 16:12

五月雨
2025/04/01 12:59

早渚 凪

2025/04/01 16:12

Jutaro009
2025/04/01 12:33

早渚 凪

2025/04/01 16:12

ucchie2772
2025/04/01 11:09

早渚 凪

2025/04/01 16:12

ucchie2772
2025/04/01 11:09

早渚 凪

2025/04/01 16:12

85

フォロワー

412

投稿

2024年7月よりAIイラスト生成を始めた初心者です。 全年齢~R15を中心に投稿します。現在はサイト内生成のみでイラスト生成を行っています。 ストーリー性重視派のため、キャプションが偏執的かと思いますがご容赦願います。

おすすめ