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【制服】メイド服とメイド服の下
※メイド服も制服ですよね?異議は却下します。 「パパ、お裾分けの食材は生鮮食品は冷蔵庫へ、常温保存可能な物は物置へ運び込みました」 「ありがとうコマメちゃん、晶さんによろしくね」 今日はコマメちゃんがたくさんの食材を金剛院邸から持ってきてくれていました。晶さんが懇意にしている相手から大量にいただいたものだそうですが、屋敷の使用人たちで食べてもまだ余る量だったので私たちにもどうぞと分けてくれたのです。伊勢海老やタラバガニ・松坂牛といった生ものもそれなりにあったのでそっちは早めに料理しないと。 「それにしてもコマメちゃん、かなり動きが良くなってきたね」 「はい。新しい体には学習データを元にして、より家事に適したモーションが実現できるよう改善が施されています」 さすがは金剛院の技術力。かなり人間に近い動きになっていて、普通にメイドさんに見えます。 「じと~」 「な、何かな瑞葵ちゃん」 遊びに来ていた瑞葵ちゃんが、横から私に視線を注いでいます。心なしか不満そうです。 「凪さん、さっきからコマメさんばっかり見てます。実はメイド好きなんですか?」 「可愛い服だとは思うけど、特別好きってわけじゃないかな」 「じゃあちょっと実験してみますね。凪さん、脱衣所借りますね」 瑞葵ちゃんがすたすたと浴室に向かってしまいました。実験って何する気なんだろう。瑞葵ちゃん割と暴走すると何しでかすか分かんないからな。ちょっと見に行くか。 「瑞葵ちゃん、何するつも・・・」 「あれ、凪さん。ついてきちゃいました?」 脱衣所を覗くと、瑞葵ちゃんは服を脱いで下着姿になってました。いや、着替えるならドア閉めようよ! 「ご、ごめん」 「いいですよ。もうちょっと待ってて下さいね」 瑞葵ちゃんは怒るでもなく、長い髪を後ろで縛り始めました。しかし着替えをじっと見ている訳にも行かないので、私はリビングに戻ります。しばらく待っていると、瑞葵ちゃんが戻ってきました。 「お待たせしました。私もメイド服に着替えてきたので、どうぞ見て下さい」 前にバイトでネコミミメイドになってた事もある瑞葵ちゃんのメイド姿。久しぶりに見ましたが、それよりも。 「瑞葵ちゃん、聞いていい?何で私の家に瑞葵ちゃんのメイド服があるのかな?」 瑞葵ちゃん、うちに遊びに来た時メイド服なんて持ってなかったんですよ。つまり、うちに置いてあったとしか考えられない。瑞葵ちゃんは少し恥ずかしそうに教えてくれました。 「もし凪さんがコスプレプレイを要求してきたとしても対応できるように、チア衣装とかボンテージとか色々ここに置いてあるんです」 「ツッコミどころ多いな!まずね、コスプレプレイなんて要求しません!普通のエッチだってまだしてないでしょ!あとSMプレイにも興味ないよ!確かに女の子を拘束してエッチな責めをする作品は好きだけど、現実でそんな事やらないから!あと最後に、そもそもここ私の家だからそんなもの隠さないで!玄葉に見つかったら私が殺されちゃうよ!」 うちが瑞葵ちゃんに侵食されてる。合鍵取り上げるべきかもしれない。 「分かりました、後で片づけますね。それで凪さん、メイド服はどうでしょう?やっぱり特別興味はない感じですか?」 瑞葵ちゃんはそう言いながら、スカートを持ち上げて見せます。ずるい、それやられたら視線が誘導されるでしょ。これでメイド服に興味ないって言ったら下着の方に興味ある認定されちゃうじゃないか。 「ピピー。パパの心拍数上昇を感知。パンチラにお喜びのようです」 「なるほど、凪さんはメイド服より服の下がお好きなんですね」 「暴露しないでくれるかなコマメちゃん」 高性能過ぎるのも考え物だな。そう思ってコマメちゃんを見ると、コマメちゃんもスカートを持ち上げようとしていました。 「ちょ、何してるのコマメちゃん!」 「はい、パパが喜んでくれるならコマメもスカートの中を開示する事に抵抗はありません」 「見たいなんて言ってないでしょ!やめなさい」 花梨さんが後でログを見た時に私の立場がさらに危なくなるから。しかしコマメちゃんは心なしか残念そうにスカートを手放しました。 「申し訳ありません。パパはコマメの下着に興味はない。学習しました・・・」 なんか悪い事した気分になります。でも『見たい』なんて言ったら花梨さんにしばかれるんだもん。 「凪さん、見てあげたらいいじゃないですか。コマメさんは女の子じゃなくてロボットですよ。下着売り場のマネキンを見るのと変わりません」 「以前ね、下着姿のコマメちゃんの身体をあちこち触ったら花梨さんに超怒られたんだよ」 「凪さん!これはそういう問題じゃなくて、コマメさんの学習に関わる問題です!『男の人はメイドさんのスカートの中を見たがる』が正しいという事をちゃんと教えないと」 そうかな・・・そうかも・・・瑞葵ちゃんがそう言うなら。 「コマメちゃん、やっぱり見せて」 「!はい、どうぞ」 コマメちゃんがスカートをめくってくれます。今日は以前見たのと違って縞模様のおぱんつだ。 「今日は縞パンです。パパの家を訪ねるので可愛い下着の方が良いと判断しました」 「むむ~。ロボットなのに見えないオシャレにまで気を遣うなんてやりますね、コマメさん」 そういう事も考えるようになるなんて、コマメちゃんは思ったよりもずっと進化しているのかもしれない。 ちなみに花梨さんには後日しっかり怒られました。スケベな意図は無いってちゃんと説明したのに。理不尽です。