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雨降る闇夜に(後編)

27

2024年10月27日 15時01分
使用モデル名:ProfiteroleMix
対象年齢:軽度な性的、流血描写あり
スタイル:イラスト
デイリー入賞 147

家に入ると、玄葉が玄関にバスタオルを持って待っていました。私はタオルを受け取ると、それで瑞葵ちゃんの体をくるみ、ゲストルームへ瑞葵ちゃんを運び込みます。 「玄葉、瑞葵ちゃんを拭いてあげてくれない?」 「ご、ごめん!お兄には悪いんだけど、ほんとにそれは無理!」 え、どうしたんだろう。シリアちゃんの服の洗濯や、晶さんの介抱はしてくれたのに、どうして瑞葵ちゃんはダメなんだ? 「そうは言っても、こんなに濡れてちゃ風邪ひいちゃうよ。私が脱がせて拭いてあげる訳にはいかないでしょ」 「無理だよ・・・その人、怖い。触れない」 玄葉が涙ぐんで怯えるのを見て、玄葉が冗談や気まぐれで言っているわけではなさそうだと思いました。いったい何がそこまで玄葉を怖がらせているのか分かりませんが、どのみち瑞葵ちゃんを拭かなくてはいけないのは変わりません。 「仕方ないな、玄葉、私に目隠ししてくれる?私が手探りで瑞葵ちゃんを脱がせて拭くから」 「う、うん・・・」 玄葉がフェイスタオルを持ってきて、私の目を覆いました。私は、その状態で瑞葵ちゃんの服を脱がせて、厚く畳んだバスタオルで体の感触を感じないようにしつつ全身を拭いていきます。それが終わったら、玄葉に頼んで私のワイシャツを持ってきてもらい、それも手探りで着せました。 「玄葉、これもう私の目隠し取っても大丈夫になってる?」 「大丈夫だと思う・・・」 玄葉の言葉を信じて、私は目隠しを取りました。瑞葵ちゃんはまだ意識が戻っていませんが、呼吸は落ち着き、もう苦しんでいる様子はありません。 「いったいどうしたんだろう、瑞葵ちゃん」 「わ、分かんない・・・」 私も玄葉も、突然瑞葵ちゃんが苦しみだした原因が分からず首を傾げます。と、そこに幽魅がやってきました。 「凪くん、その子大丈夫?」 「分からない。ちょっと向日葵ちゃんに電話して、瑞葵ちゃんに持病とかないのか確認してみるよ」 私が向日葵ちゃんに電話をかける間、幽魅は瑞葵ちゃんの体に手を突っ込んだりしてなにか探っていました。何してるんだろう。 「はい、向日葵です」 「向日葵ちゃん、瑞葵ちゃんが倒れて意識を失ったんだ。何か瑞葵ちゃんって持病があったりしない?」 「は!?倒れたって・・・今瑞葵どこにいます!?早渚さんの家ですか?」 「うん、そうだよ」 私は、今夜瑞葵ちゃんに出会ってからの出来事を向日葵ちゃんに説明しました。しかし、向日葵ちゃんにも瑞葵ちゃんの状態に心当たりはないそうです。 「とりあえず、瑞葵の着替えを持ってそっち行きます。ご迷惑かけてすみません」 「助かるよ。またタクシー代は持つから」 やれやれ、こんな事なら初めからタクシー呼んだ方が良かったかもしれない。と、瑞葵ちゃんが目を覚ましました。 「あ、あれ・・・?ここは・・・?」 「瑞葵ちゃん、気が付いた?体は?どこか痛かったりしない?」 「えっ、凪さん!?どうして凪さんが・・・それに、体って・・・ぴゃあ!?ど、どうして私こんな格好を!?」 自分が裸ワイシャツなのに気付いた瑞葵ちゃんが顔を真っ赤にして驚きます。 「ごめん、びしょ濡れだったから私が着替えさせたんだ。あ、もちろん目隠しはしたよ。だから瑞葵ちゃんの裸は見てないから」 「そ、そうですか・・・大変でしたよね、包帯ぐるぐる巻きを全部脱がせるの」 「え、包帯?」 なんだ、話がかみ合わない?瑞葵ちゃんが包帯を巻いていたのは数日前の事ですが。 「お、お兄・・・その、瑞葵ちゃんって子、さっきと違う」 「違う?」 玄葉が変な事を言い出しました。瑞葵ちゃんの体を調べていた幽魅もそれに同調します。 「そうだねー。あの真っ黒いのが体から出てったみたい」 「真っ黒いのって・・・幽魅、それどういう事?」 「なんかね、この子が家に来た時、塩をかぶった瞬間に体から真っ黒な炎みたいなのが出たの。でも、今体の中を調べたけど何にも残ってないっぽいんだよね」 「わ、私も。瑞葵ちゃんに塩かけちゃった時、すごく嫌な感じがしたの。まるで『許さない、殺してやる』って憎しみをぶつけられたみたいに。本気で殺されるって思った・・・」 そうか、それで玄葉は瑞葵ちゃんに怯えたのか。でも、今はもう大丈夫って事なのかな。 「あ、あの・・・凪さん、なにがどうなってるんですか・・・?」 私は、瑞葵ちゃんに今日あった事を説明しました。しかし、瑞葵ちゃんは全く覚えておらず、それどころかミイラ女の時に私に会った覚えもないそうです。 「あの日・・・私にとってはさっきみたいな感覚なんですが、霊園で凪さんを待っている内に気を失ってしまったみたいな感じなんです。それで次に目が覚めたら今この場所ってなってて・・・」 「凪くん凪くん、もしかしてこの子、霊園で悪霊に憑りつかれてたんじゃないかなぁ?けど今日、塩をかぶったから除霊されたとか」 「うーん、幽魅の言う通りかも知れないね。瑞葵ちゃんが悪霊に憑りつかれて操られていたなら、記憶がないのも当然なのかも」 私が納得しかけていると、瑞葵ちゃんが不安そうな顔で聞いてきました。 「な、凪さん。幽魅って誰ですか・・・?それに悪霊に憑りつかれたってどういう事なんですか・・・?」 「あ、瑞葵ちゃんには幽魅は見えてないんだった。説明するね、実は私と玄葉だけに見える幽霊がここにいて、それが幽魅なんだ。その幽魅が言うには、霊園で悪霊に体と意識を乗っ取られていたんじゃないかって」 「ええ・・・!?」 瑞葵ちゃんは怯えた様子で自分の体や頭を触っていましたが、やがて私たちに頭を下げました。 「ご迷惑をおかけしました。助けてくれてありがとうございます」 「いやいや、いいんだよ。むしろ気付くのが遅くてごめん」 その時、家の前にタクシーが停まる音がしました。向日葵ちゃんが来たみたいです。 「瑞葵ちゃん、向日葵ちゃんが着替え持ってきてくれたから、着替えたら自分の家に帰りなさい。あと、明日一応病院で検査してもらった方がいいかも。知らない内に変な怪我とかしてるかもしれないから」 「はい」 その後、向日葵ちゃんをゲストルームに案内して、瑞葵ちゃんを着替えさせてもらった後、向日葵ちゃんに一連の流れを改めて説明してから二人を家に帰しました。 「いやー大変だったね!でもあの子助かって良かったね!」 「本当だよ。それにしても玄葉、悪霊見えたんだ」 「幽霊なんて初めてみたんだけど・・・」 「玄葉ちゃん!?私をノーカンにしないで欲しいなぁ!?」 どうも、私たち兄妹にはちょっと霊感があるようですが、いつも見える訳でも無いようです。今回の悪霊は、瑞葵ちゃんを乗っ取るなんて事をしてるのでそれなりに強い霊に思えますが、霊感のある玄葉が塩を撒いたからこそ祓えたのかもしれません。 後日、瑞葵ちゃんからは検査で異常はなかったと報告がありました。お礼にカップケーキも持ってきてくれました。 「・・・これ、爪とか髪の毛とか入ってないよね?」 「玄葉・・・瑞葵ちゃんがそんな変な事する訳ないでしょ」 玄葉はどうも瑞葵ちゃんに苦手意識があるみたいです。早く慣れて仲良くなって欲しいな。あんなにいい子なんだから。

コメント (7)

ルノハ:停滞中
2024年10月28日 10時03分

早渚 凪

2024年10月28日 10時45分

ぜんざい

ぼく「それではこの包帯は私が頂いておくということで、失礼します」

2024年10月27日 23時29分

早渚 凪

凪「瑞葵ちゃん、もしもの話なんだけど。あの時巻いてた包帯が他人の手に渡ったらどうする?」 瑞葵「ふぇえ!?そ、そんなのやーです・・・!私、恥ずかしくて死んじゃう・・・」 凪「ああ、ごめんね!?泣かないで。もしもの話だから、ね?」

2024年10月28日 10時45分

Jutaro009
2024年10月27日 22時35分

早渚 凪

2024年10月27日 22時53分

猫団子🐈‍⬛🍡
2024年10月27日 18時07分

早渚 凪

2024年10月27日 21時38分

JACK
2024年10月27日 17時54分

早渚 凪

2024年10月27日 21時38分

thi

メンヘラ瑞葵さんが悪霊なのか素なのか、まだわかりません、あと胸元の開き具合は最高です!

2024年10月27日 17時08分

早渚 凪

憑りつかれるって事は、それだけ同調される理由があったって事ですし、悪霊の方も瑞葵の記憶をしっかり読み取ってました。意外とシンパシーがあったのかも。胸元の開き具合は結構厳選しました。R-18くらわないギリギリを狙ったつもりです

2024年10月27日 21時38分

五月雨
2024年10月27日 16時21分

早渚 凪

2024年10月27日 21時32分

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2024年7月よりAIイラスト生成を始めた初心者です。 全年齢~R15を中心に投稿します。現在はサイト内生成のみでイラスト生成を行っています。 ストーリー性重視派のため、キャプションが偏執的かと思いますがご容赦願います。

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