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ミリシラ様の異世界百景その2「奏者の滝」
地球の皆の者、こんクエスト~!!全知全能の大賢者「ミリシラ・シッタカブール」様じゃぞ!ちなみにじゃが、「こんクエスト」という挨拶は「conquest(征服)」をもじったもので、お主たちがワシの映像を見てる時間を「征服」しちゃうぞ、という意味を込めておるんじゃ。 さて、今日は「カーム水没林」の一角にある「奏者の滝」を紹介しよう。ここは林を流れる小川が滝になるところで、別名“自然界の音楽堂”とも呼ばれておるぞ。 その理由は、この水没林にある魔法植物が関係しておる。貯水と放流を繰り返す性質のある植物が上流に群生しているため、この滝に繋がる小川はいつも水量が不安定なんじゃ。その流れが滝を落ちるときに生み出す気流を不規則なものにし、滝のそばにある無数のほら穴に響いて、この滝周辺には常に風の音が絶えぬ。しかも、それが水音に不思議と調和していつでも美しいメロディとして奏でられておるのじゃ。それに釣られてインコたちが集い、歌を歌うときもあるぞ。 ほれ、聞こえてくるじゃろう?滝の落ちる音をベースに、水滴が葉を叩くパーカッション、気流が枝をざわめかせ、ほら穴を震わせる。歌鳥のコーラスが乗って、ここはまさしく音楽堂よ・・・。 とまあ、そんな場所じゃからここは良く音楽家たちが「いんすぴれーしょん」を求めて訪れる。休暇を楽しみたい者たちも然りじゃ。ワシもこの場所はかなり気に入っておっての、よく癒されに来ておるわい。水も冷たくて気持ちいいしの~。ちょっと水遊びしていくか。 ・・・ん?おいお主ら、風景を見んか!何ワシのぱんつを注視しておるんじゃ!そういうの良くないぞ!?ワシも全知全能を名乗っとるが、まだ男は知らんのじゃから・・・って何言わすんじゃ!?もうおしまい、今日はおしまいじゃ! 見てくれてありがとうなのじゃ!おつカブール~!! ・・・ワシも捨てたもんじゃないんかのう。自分が可愛いかどうかなんて正直分からんのじゃけど・・・。