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孤高の星
「あれは――アヤベ?」 トレセン学園恒例の夏合宿期間、ある日の夜に浜辺で星を眺める担当ウマ娘「アドマイヤベガ」の姿を見つけた。星を見ているようでいて、その実もっと別の事に思いを馳せているような、そんな横顔。 担当トレーナーとして何か声をかけた方が良いのだろうか。しかし、今の彼女を邪魔してはいけないような・・・。逡巡していると、空に流れ星が見えた。それを見つめるアヤベの目に、何か強い想いがあるような気がして。何か言わなければと、思わず口を開いた。 「我が姿を目にせし者よ、我が消える前に願いを三回言うがいい。どんな願いでも一つだけ叶えてやろう」 「・・・何、言ってるの。トレーナーさん」 振り向きもせずアヤベが呟いた。自分が盛大にすべった事を自覚し、頬が熱くなる。 「ごめん、何か言わなきゃいけないような気がして・・・」 「だったらせめて、もう少し考えて話してくれる?」 よく自分に見せる、呆れたような表情でアヤベはこちらに振り向いた。どうしていいか分からなくなり、その場に立ちすくんでしまう。 「・・・隣、座ったら?」 「・・・いいの?」 「別に。そんなところにずっと居られると気が散るから。それだけ」 おずおずとアヤベの隣に腰を下ろして、二人ただ無言のまま星を見上げる。 今はまだ、遠いけれど。また一つ、彼女に近づけた気がした。 ※「流れ星」で最初に浮かんだキャラがうちの子じゃなくてアヤベさんだったんですよ。でも耳カバーの再現率が・・・。アヤベさんファンの方ごめんなさい。 そして2枚目の画像はオマケの没画像です。流れ星が地上に落ちてしまった・・・。競技場大パニックになりそう。