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ペンギンのおてては冷たい
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「少尉。金曜の研究会は、海軍さんと合同で行う。横須賀だ」 執務室で書類仕事をしていたブロント少尉に隊長が話しかける。 「横須賀、私初めてです。どんなところでしょうか」 「まあ、軍港の街だな。海辺だけど山も近くにある。田舎と言えば田舎だがな。 そうだ。横須賀には、なかなか立派な水族館があったな」 「オウ、アクアリウム。私行ったことありません。」 「なかなかキュートね。あんなによたよた歩いていて、捕まんないのかしら?」 ブロント少尉は興味深げにペンギンを見ている。 よちよちよたよた短い脚で歩き回るペンギンさんはなかなか可愛らしい。 「は~い。ふれあいコーナー開始しますよ~」 水族館の姉さんが、参加者を集めている。 直接間近でペンギンさんに触れ合えるらしい。 「わ~、動物との距離が近いってすごいわね~」 「ぺっ、ペンギンってずいぶん人懐っこいのね……」 ペタ~ 「ひゃっ!!やん、冷たい!!」 動物どころか鳥にも人気者のブロント少尉だった。