異国の美少女とのお昼休み模様
秋の陽光が学園の中庭を柔らかく照らす。お昼休みの喧騒の中、男子高校生の葉月はいつものベンチに腰を下ろした。 隣には、クラスメイトのアメリアがちょこんと座っている。彼女は日本人の母とイギリス人の父を持つハーフで、透き通るような金髪と青い瞳が印象的。新学期が始まった今日、初めて一緒に昼食を取ることになったのだ。 「ねえ、葉月、弁当見せてよ!」 アメリアが笑顔で言う。 葉月は照れながら、シンプルな弁当箱の蓋を開けた。 その中には卵焼き、鮭の塩焼き、梅干しが乗ったご飯が敷き詰められている。質素だけれども、安心する弁当だ。 「わあ、めっちゃ日本っぽい! 美味しそう!」 彼女の声には純粋な好奇心が溢れていた。 「じゃあ、アメリアのは?」 葉月が問いかけると、彼女は少し誇らしげに大きな弁当箱を取り出す。 アメリアが蓋を開けると、色とりどりの料理が目に飛び込む。ローストビーフの薄切り、お肉にかけるレモン、大きな果物にカラフルな野菜のピクルス。まるで高級レストランのプレートのようだった。 「うわ、なんだこれ! 豪華すぎるだろ!」 葉月は思わず声を上げてしまう。 「ママが作ってくれたの。イギリス風だけど、私の好きな日本の味もちょっと入っているのよ。ほら、ここ、いくらを使った料理とか」 彼女は得意げに説明していたのだ。 葉月は目を丸くし、その異国の弁当を見つめている。 二人で礼儀正しく頂きますと口にし、食べ始めた。すると、アメリアは葉月の卵焼きに興味津々。 葉月は、自分の目玉焼きをあげる事にしたのだ。 「これ、ふわふわ! どうやって作るの?」 葉月は、母親が作ってくれたからと誤魔化す事にした。 昔、男子が弁当を作るのは変だとか言われた経験があり、消極的な返答をしてしまう。 「そうなの? へえー、葉月のお母さんが作ってくれたのね。一度、レシピを聞いてみたいな。そうだ、私のローストビーフも食べてみる?」 アメリアのローストビーフを一口もらうと、柔らかくてスパイスの効いた味わいに驚いた。 「こ、これ、めっちゃ美味いな!」 二人で幸せな昼食時間を過ごす。 食事を進めながら、彼女は自分のことを少し話してくれたのだ。 イギリスに住んでいた幼少期、日本の学校に慣れるまでの苦労。でも、今はこの学園が大好きだとはにかんでくれる。 葉月は、彼女の明るさに引き込まれるように、自分の地味な日常や、将来の夢をぽつぽつ話した。 「葉月って、なんか落ち着くね。一緒にいると安心する」 アメリアが嬉しそうな笑みを見せながら、ふと言葉を零したのだ。 そんな表情を前に、葉月の心臓がドキッとする。彼女の笑顔は、まるで中庭の木漏れ日のように温かかった。 チャイムが鳴り、昼休みが終わる。 弁当箱を片付けながら、彼女が言った。 「また一緒に食べようね、葉月」 少し照れながら友好的な笑みを返す。 中庭のベンチは、二人にとって特別な場所になったのだ。