武士は食わねど
「アンジェちゃん、ご飯頼まないの?」 お友達の葉月さんが、心配げに問いかける。 「ちょっと、おせち料理食べすぎたんです」 ぐぅ~。 アンジェこと、ブロント少尉のお腹から大きな音がする。 「ゴーマ・パイルでも我慢したんだから、私もサラダだけで大丈夫です」 (だれ?ゴーマ・パイルって) 一般人で普通の女子高生の葉月さんは、ベトナム戦争の映画で、教官に目を付けられていびられていたデブの事など知る由もない。 「武士は食わねど高楊枝といいます。私も耐えます……」 (アンジェちゃん、それはポッキーだよ。しかもそれ、何箱目?)