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サツマから来たモンスター
「ちぇちぇ!!、大きな蜜柑見つけたクマ!!」 クマ獣人の少女が、巨大な蜜柑を頭の上に掲げるようにして厨房に入ってくる 「お~、すごいね。プーにゃん、それはモンスターサツマだね」 「クマ? 食べられるのクマ?」 「うん、大きくて、味は他のサツマに比べてずっとさわやかで、いくらでも食べれちゃうね。 香りもいいよ 早速何かお菓子を作ろうか!!」 「やった~クマ!!」 ・・・・・・ 「なんで、サツマっていうクマ?」 「さあ?、元の産地の名前なのかな?」 ・・・・・・ 「蜜柑を一手に扱っていた業者の出身が、サツマだったから、そのタイプの蜜柑は全部サツマと呼ぶと誤解したという話だぞ」 「お母様、また嘘八百を……。学院の生徒達が信じたらどうするんですか」 「本当だぞ!?」 『かの者 過ちを石が如く口にせしが 真も玉の如く』 美食の女神の呟きは、その使徒以外には届かなかった。