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ショールと黒服制服と
「あれ、ブロント少尉、どうしたんですか。 珍しくまともな格好して」 相部屋のクローゼットの前で、何やら一人ファッションショーをしている少尉を見て、シルビア伍長が言う。 「ふふふ、ありがとう」 (褒めてないわよ……) 「今日は、葉月さんとデートなんです」 「……、そうですか。 (民間人の友達だったわね。大丈夫かしら)」 「お待たせ、アンジェちゃん」 「お久しぶり、葉月さん」 黒ワンピースだが、軍服は羽織っておらず、ショールを纏ったブロント少尉のもとに、 制服の上に同じくショールを合わせた女子高生が駆け寄った。 「アンジェちゃん、やっぱりよく食べるね。 素敵だわ」 うっとりした顔で、ブロント少尉を見つめる葉月さん やっぱりちょっと変な子だった。