1 / 5
ラファエル様のゲリラ雑談「温泉女子会(前編)」
ラファエル(以下ラ)「はぁ~い、ハローヘイロー地球の皆様、YESラファエルNO天使、義眼の聖女「ラファエル」です。今日はですね、王都に新しくできた温泉施設にお邪魔しています。この温泉施設はですね、ミリシラ様が王都でも温泉に入りたいと言い出して、それを聞いた生徒のヒマリさんが『転移魔法の応用で温泉地とゲートをつなげれば王都に温泉引けるんじゃないですか?』と発案してくださった事で、ミリシラ様主導の下あっと言う間に完成したんですよ。ですので今日はそのお二人もお呼びして、温泉につかりながらお話しできたらいいなと思って企画しました。題して『ラファエルちゃんねる 冬の特別編ミリシラ様とヒマリさんをお呼びして温泉で語らいましょうの巻』です」 ミリシラ(以下ミ)「前置きが長いのぅ。というか何じゃいそのフリップは。ワシらのイラストが描いてあるが、誰が作ったんじゃ」 ラ「私は絵柄や色が見えないので、絵心のあるという僧侶にお願いして描いてもらいました。たくさんの僧侶から可愛いと言われてましたからお見せできない出来栄えではないと思いますよ」 ミ「まあ、デフォルメ調で可愛らしくは描けておるのぅ・・・ところでヒマリ、お主なんで隅っちょで縮こまっておるんじゃ」 ヒマリ(以下ヒ)「いやだって、これラファエル様の力で地球の人たちに見られてるんですよね!?せめてお風呂じゃなくて食事の時とかだったら全然いいんですけど、私普通に恥ずかしいんですが!」 ミ「あー、大丈夫大丈夫。サイトの奴に聞いたら、地球では『バスタオル巻いた女が温泉の紹介をする放送』が普通に子供も見られる時間帯にやっておると言うておったわい。ワシも最初入浴シーン見られた時はつい暴走してしまったが、地球がそういう事情であれば変に恥ずかしがっておるのも自意識過剰ってもんじゃろ」 ラ「ですので私も今回は地球の流儀に合わせてタオルを巻いています。いつもの湯浴み着は露出過多だとミリシラ様が言われたので」 ヒ「いや、あれは私でもヤバイって思いましたよ。だって全裸に首からかけた布一枚でかろうじて胸を隠してるだけじゃないですか。あんなの地球人が見たらラファシコが止まりませんよ」 ラ「あっ、そう言えばミリシラ様、ラファシコって何の事でしょうか?」 ミ「お主、今ここでそれを詳細に説明したらこの発信ジエンドじゃぞ。後で説明してやるから今は我慢するんじゃ」 ラ「はい、後でですね。・・・さあ、ヒマリさん。こっちに来て一緒にお話ししましょう?」 ヒ「うう・・・ミリシラ様、何かあったら地球人の記憶消し飛ばして下さいよ?」 ミ「じゃから無理言うな。ほれ、恥ずかしかったらさっさとラファエルを満足させて終わらせればいいんじゃから喋らんかい」 ●自己紹介 ラ「まずは地球の皆様に改めて自己紹介しましょうか。私はシア・エクス。洗礼名はラファエルです。王都教会の僧侶の最上位位階である聖女を務めています。今年で25歳です」 ミ「ミリシラ・シッタカブールじゃ。地球人とはワシの方が付き合い長いから、あんまり言わんでも分かっておると思うが、歳は秘密じゃ。30年ほど前に冒険者をやめて今ではコネサンス魔法学園の特別講師をしておる」 ヒ「わ、私はヒマリ・インコーダです。ミリシラ先生の教え子の一人で、歳は今年で16歳になります・・・」 ミ「若いのぅ・・・お肌もぴちぴちつやつやじゃなぁ」 ラ「そうなんですか?私は光の反射が見えないので分からないんです」 ミ「もう憎たらしいくらいきれいな肌しておるぞ。こいつ、その見た目と性格で男が放っておかないから、これまでできた彼氏は11人にもなるんじゃぞ」 ラ「まあ、そんなに沢山の男性と愛を育んできたのですね!素晴らしい事です」 ヒ「いや、愛とかじゃ・・・確かに、それぞれの彼氏は私も『良いな』って思ったから付き合ったけど、皆私より私の胸に興味があったみたいで、それが原因で破局しました」 ミ「ラファエルも気付いておると思うが、ヒマリの胸、風呂に入る前より小さくなっておるじゃろ。これ、普段はパッド三枚いれて盛っておるところに加えて幻覚魔法を使って巨乳に見せておるんじゃ。巨乳どころか虚乳って訳じゃ」 ヒ「そこまで言われるほどぺったんこじゃないし!」 ●コイバナ ラ「まあまあ、胸の話はヒマリさんも気に障るようですからここまでにしておきましょう。私がいる場所では怒ろうとしても怒れずに、ストレスが溜まってしまうでしょう?」 ヒ「ああ、確かに・・・普段ならもっと頭にくるのに、胸の事言われてもそんなにヒートアップしないですね・・・」 ミ「で、次は何を話すんじゃ?」 ラ「彼氏の話が出ましたし、定番のコイバナではいかがでしょうか」 ヒ「大聖女と大賢者がやっていい話題なんですかね、それは」 ミ「ワシも男っ気なんて全然ないからのぅ・・・冒険者時代はローガンと良く組んでおったが、あいつめ、ワシに気があったくせしてアプローチしてこんかったんじゃ。今じゃ孫までいるジジイになりよってからに、まったくもう。宿で一緒の部屋に泊まってた頃に押し倒してやれば良かったかのぅ」 ラ「まあ、無理矢理はいけませんよ。ちゃんとお互いの気持ちを確かめ合わなくてはなりません。丘に生えた一本の樹の下で向き合う男女、その頬を染めているのは夕日か、緊張か。震える声で想いを告げて、通じ合い、抱き合ってそっと口づけを交わす。そういう手順をないがしろにしてはいけません」 ヒ「今どきそんな展開、少女漫画でも見ませんけど!?」 ミ「少女漫画って何じゃい・・・?まあ、とりあえずそんなむず痒いやり取りをローガンとやるのは絶対に嫌じゃ。好きだからヤる。それくらいシンプルでええじゃろ」 ヒ「片やロマンチスト、片や結果主義者。二人の人生が透けて見えるようですね・・・」 ミ「ラファエルの方はどうなんじゃい。サイトとは随分仲良くしておるようじゃが?」 ラ「サイトさんは私を慕ってくれていますが、恋心は抱いていないのではないでしょうか。出会った当初こそ、私を性的な目で見ていたという報告がありましたが、サイトさんに体を洗っていただいたり、一緒のベッドで寝付かせていたりしている内に、どうもサイトさんから『性欲』そのものが消えてしまったようで、私の事を女として見ていないように感じます。私だけでなく、他の女性僧侶も言い寄られる事が無くなったみたいですし」 ミ「ラファエルに性欲を抑制されすぎて、ついには悟りを開きおったか・・・」 ヒ(サイトさんって、多分前世はあの宿城サイトさんなんだよね・・・あんな悪い人だったのに、ラファエル様の影響でこんな事になるとは・・・) ラ「どうやら、この場にいる全員、恋愛成就は糸口もつかめていないといった感じでしょうか」 ミ「いや、ヒマリはもしかするとワンチャンあるかも知れんぞ?ほれ、あの写真家のウィローとかいう男じゃ」 (後編へ続く)