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戦巫女の目覚め
「あにさま、行っちゃヤダ……」 「ドーラ、お主は強い子だ。兄がおらずとも大丈夫だ」 兄の武骨で巨大な、だが温かい手が、童女の頭をなでる。 「いやだ!!うちは弱い。あにさまがいないといやだ!!」 『弱きを知る者は また強き者なり』 「えっ・・・・・・」 「どうした?グレドーラ」 ・・・・・・ 「弱きを知る者か・・・・・・」 初めて神の声を聴いた幼き日のまどろみから、グレドーラは目覚めた。 「弱いことは罪ではない。弱さを知らないことが罪なのだ・・・・・・」 グレドーラは、戦斧を手につかむと立ち上がる。 「お前は、どんな弱さを知っているのか」