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闇の聖光
「へえ~、まだ、あたいを狙う奴なんざ残っていたんだ……」 繁華街の裏路地を歩いていたリリスは足を止める。 5、6人の顔を隠した襲撃者、身のこなしや装備からして暗殺者、が前後を塞ぐように姿を現した。 「あんたら、あたしをやりたいってか……」 リリスは、あたかもステージに上がったかのように背筋を伸ばし髪をかき上げる。 「よく見なよ、あんたらがやりたいっていう、このあたいを。このハーフエルフをな。あんたらの為したいように為してみな」 暗殺者たちが一言も発せず、包囲の輪を詰める中。 『ホーリーライト(聖光)』 リリスの挙げられた手が強烈な閃光を放つ。 「……!!」 「!?……」 聖なる光に目を焼かれた襲撃者たちが声なき悲鳴を上げる。 「あたいにも見せてくれよ。あんたらの為したいことをよ。あたいを殺したいっていう強い意思をよ」 自由と平等、そして何よりも、強い意思を尊ぶ暗黒神の巫女は、闇の中光を発しながら、ゆっくりとショートソードを抜き放った。