1 / 5
身の程知らず
「あっ、センコー来るよ」 「じゃね~、チクったらどうなるかわかってるわよね」 いじめっ子たちは、楽し気にあざ笑うと、その場を去っていった。 「大丈夫か?」 地面に蹲っている、青髪の少女に差し出された、女性教官の手を……。 パシ!! 少女は俯いていた顔を上げると同時に払いのけた。 「貴様!!おねえ、ブロン・・・ナ様になんて事を!!」 美貌の女性剣士、ブローナに付き従っていたメイド騎士がいきり立つが。 「待て!!」 ブローナが鋭い声で制止する。 青髪の少女は、素早く跳ね上がると、すでに詠唱を終えた杖をこちらに向けていた。 エリザベートの殺気まじりの怒気に反応したらしい。 「わたしに構わないで……」 いつの間にか眼鏡をはずしていたらしい。髪の色と同じ青い瞳が鋭い眼差しで睨みつけてくる。 「魔法を解け。今なら見逃してやる」 「……」 少女の殺気が高まるが、一拍置いて杖を下ろした。 「ブローナ……、あなたは何者……?」 少女は、ブローナを一瞥すると去っていった。 「あいつはやべーな」 ブローナ……、ブロントはその後ろ姿を見ながら呟いた。