thumbnailthumbnail-0thumbnail-1thumbnail-2thumbnail-3thumbnail-4

1 / 5

イルミネーションとシーフの目

「へー、今回のイルミネーションは、みんなこっているわね」 狐の耳と尻尾を持った、可愛らしい少女が魔道カメラを使って夜景を撮っている。 この時期、神々の降臨祭がおこなわれるため、大通りには様々な飾り付けがされる。 普通の蝋燭は勿論、魔法の照明や最近になって普及しだした魔導灯の灯りが目にまばゆい。 各大通りの、大手商会などが中心になって催されるのだが、各商店の意地の張り合いでもあるのか、年々派手になっていっている。 「わー、きれ~い」 どうも、彼女はこのごろ王都で、乱立しては消滅する新進の職種、新聞社の記者らしい。 カメラを構えて一生懸命にメモをとりながらも、多彩な灯りに心動かされている様子は愛らしい。 (あいつらと……、あの木の後ろ。向こうの二人もそうか。下手な変装なんてバレバレだっての) 冬の祭りの熱に浮かれて、灯りの煌めきに引き寄せられて、多くの人々、種族、部族がこの王都に集まる。 それは構わないのだが、人々に紛れて素性をかくして潜り込む奴らは厄介だ。 しかし、シーフの目は、魔法やカメラなどよりも、正しく人を見定める。 祭りに浮かれる少女の顔の中に、灯りを映す盗賊の目が光っていた。

さかいきしお

コメント (2)

bonkotu3
2023/12/23 14:45

さかいきしお

2023/12/23 15:09

binbin yea
2023/12/23 14:27

さかいきしお

2023/12/23 15:09

883

フォロワー

679

投稿

おすすめ