thumbnailthumbnail-0thumbnail-1thumbnail-2thumbnail-3thumbnail-4thumbnail-5thumbnail-6

1 / 7

ポンコツ女エルフ教師

森の中、ちょっとした広場で、黒板を前に人だかりがある。 どうやら、学校的に何かを教えている場所らしい。 教師役らしいダークエルフの若く見える女性が、黒板の前で教鞭を持っている 「このように、エルフと人間は、お互いに生殖可能で、その子供であるハーフエルフも子供を作れる。 非常に近い生物と考えられる」 黒板に、雑に、人間と、エルフらしい絵が描かれている。 「せんせ~、オークやトロールは?」 エルフの子供が手を挙げて質問する。 女の子だ。 「かれらは、エルフや人間とは、体の大きさ、角や牙といった特徴で、見た目がかなり違うが、 生殖可能な点はハーフエルフと同じだ。 それに女性の場合は、男性ほど種族的特徴が強くない。 男女差が強く出ているだけで、生物としての根源は同等と考えられる」 普段の天然ぶりはどこに行ったのか、まじめにおかしな授業をしているようだ。 「せんせ~」 また子供の手が上がる。 今度は、こしゃまっくれた感じがする男の子だ。 「そもそも、男女の差というのがわかりません~」 「むっ、そうだな。そこから理解が必要だな……」 ダークエルフは少し面食らったが、律儀に答える。 「いずれは、学ばないといけないことだ。実せ……」 「何をやっているんですか!!」 そこに、ハーフエルフの魔術師が乱入してきた。 「そろそろ、長老たちとの面談が始まるのにいないと思ったら!! お母様!!子供達に一体何を教えようというんですか!!」 「……、子供たちが正しい知識を身に着けないと、種族間のたいり」 「セージ(賢者)の修行もしていないお母様が何を教えるっていうんですか!!」 怒りに気おされながらも、マイペースに言葉をつづけようとする母を、食い気味にさえぎるハーフエルフ。 「……わたしは、バード(吟遊詩人)だし、いろんな種族と子供を作っ……」 「黙れポンコツ!!」 ハーフエルフは、杖をふるうと、子供たちの前でいらんことを言おうとする母の口をふさぐ。 「みんな、このおばさんは、頭がおかしいから信じちゃだめよ!!」 ハーフエルフはさらに杖をふるうと、空中に浮かんだ母を引っ張って青空教室を出て行った。

さかいきしお

コメント (5)

銀の野兎
2023年10月14日 08時53分

さかいきしお

2023年10月14日 10時13分

yuyu
2023年10月06日 23時20分

さかいきしお

2023年10月07日 02時47分

kino
2023年10月06日 10時08分

さかいきしお

2023年10月06日 10時40分

tokitoki
2023年10月05日 12時20分

さかいきしお

2023年10月05日 12時27分

知愛
2023年10月05日 12時12分

さかいきしお

2023年10月05日 12時26分

837

フォロワー

538

投稿

おすすめ