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善行の代償
『ほんの小さな善行が、巡り巡ってあなたに幸せをもたらします』 「うーん、我ながら良い出来だね」 とそこに。 「こ・う・うん・しんの巫女様?」 背後から掛けられた声に、狐の耳がピクンと動き、尻尾がぶわっと膨れ上がる。 「あっ、あはは。リリスちゃん。今日も美人だね~」 「ちょっと、この下賤なハーフエルフめに、その可愛らしくて神聖なお顔を、貸してもらえますか」 ハーフエルフは、仮面のように整った冷たい笑顔を浮かべた。 ・・・・・・ 「おっ!ダッ、ダキニラ。どうした、そのほっぺは!?」 「あはは、幸せ配りすぎておつりが来たよ」