1 / 4
魔塔の鬼
「なんだこれは……」 オークの戦士にしてエンハンサー、賢者であるゴルドンは、手にした新聞をみて呆れた顔で呟いた。 そこには、魔王もかくや、というような恐ろし気な風貌の、地を割き、嵐を呼び、電を招き寄せる、東洋の鬼そのものオークの(編集された)写真が映っていた。 『賢者の学院には、こんなモンスターがいるぞ。君たちが倒して勇者になるんだ!!』 煽り文字には怒りを通り越してため息しか出ない。 「我は魔王ではないぞ」 「ごっ、ごめん・・・・・。広告課のやつらが悪乗りしちゃって……」 可愛らしくウインクしながら頭を下げるダキニラだった。