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女神と妖精・狐っ娘

「では、そろそろ、始めましょうか。今日はお告げが来るような気がします」 巫女服をきた美女に見える竜姫は、二人を伴って、木と紙で作られた神殿、神社の奥の方にすすむ。 「何始めるの。一体?」 竜の威容と、その人間体の、同姓でさえ魅了させるほどの美しさに飲まれたダキニラが、隣を歩く母に聞く。 「彼女は、依り代としての役割を果たすこともできる」 「依り代?つって、えっ、まさか……。コールゴッド(神身召喚)?」 神を現世に自分の体を依り代として呼びだすことは、力に満ちた高位の神官ならば可能なことだ。 しかし、神の力は強大で偉大だ。 仮初めとはいえ肉体を得た神はその強大な力を現世で振い、様々な奇跡を起こすことができるが。 ただし、代償なしでというわけにはいかない。 「ああ、人より強力な心身をもつ彼らならば神を一時的に宿すことも可能だ」 「そ、そんな事簡単にはできっこないよ……。じゃあ、タキザワさんも、神官なの?」 幸運神を聞ける神官でもあるダキニラは、畏敬の念をもって人の姿を取る竜を見つめる 「いえ、私は特定の神々の信者ではありません。神々に一時的に体をお貸しすることで、神様と信者から代価を得ているのです」 通常ならば、いかに修業を積んだ高位の神官とはいえ、神を身に降ろした直後にその身も心も魂もはじけて消し飛んでしまう。 例外もあって何度も神を降ろした、どこぞの神の最高司祭の伝承もあるが。 竜種は、かつて神同士の大戦があった際、お互いの尖兵として使役されて、神々の体さえも滅ぼしたという。 この地にあって、違う竜種とはいえ、タキザワの一族が神の使者と認知されているのは、その事と無関係ではないだろう。 「あたしには無理だよ。まだ死にたくはないよ。ううん、死ぬんじゃない。消えちゃうんだ‥‥‥‥」 神官であるからこそ、神をその身に呼ぶことの難しさ、その代償の大きさを理解しているダキニラは自分の体を抱きしめて震える。 「すまん。神官にとっては大事だったな。 私は神の声を聴くことができないのでな。 リュウコに頼むしかなかった。 私が直接神と話せればよいのだがな」 アーゼリンは、末の娘の体をそっと抱きしめる。 「それに。安心しろ、無理やりお前の体に降りるような神だったら、私がその神のほっぺたを引っ叩いてやる」 『ほう、神を打擲するとは。なかなか、不遜な妖精よの』 背後からかけられた、滝沢龍子の声、だけど圧倒的な力を持ち、王都中に響き伝わるような声を聴いて、アーゼリンは珍しくうろたえた。

さかいきしお

コメント (6)

のんですの♪
2024年01月05日 11時36分

さかいきしお

2024年01月05日 12時23分

ガボドゲ
2024年01月02日 15時06分

さかいきしお

2024年01月02日 15時08分

にしのみつてる@猫変化2021
2024年01月02日 14時19分

さかいきしお

2024年01月02日 15時07分

ぷにんぐうぇい みる
2024年01月02日 13時43分

さかいきしお

2024年01月02日 13時51分

水戸ねばる
2024年01月02日 12時56分

さかいきしお

2024年01月02日 12時57分

bonkotu3
2024年01月02日 11時28分

さかいきしお

2024年01月02日 11時47分

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