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足は口ほどもよく語る
「食糧庫どろぼ~?なんだって冒険者の店に」 希望の料理が出ないことに対する答えがこれだった。 「ああ、丁度お前たちの好物が無い」 そこでマスターが、にやりと笑う。 「うまく犯人突き止めりゃあ、報酬は只にしてやるぞ?」 「やった~、って、只って」 妙なことを言われて問い返したが、マスターは鼻歌を歌いながら奥へ引っ込んだ。 「う~ん、これは」 食糧庫の床には、泥のついた巨大な足跡が、はっきりと残って、荒らされた材料の棚まで行って帰ってきいる。 なんかやけに大きい足跡で、クマか何かの動物の物みたいだ。 「ねえ、プーにゃん、ちょっと靴脱いでみようか?」 下から覗き込むようにチェルキーに言われたプーにゃんは。 「なっ、なんでクマ。ちゃんと足洗ったクマ!!」 ・・・・・・ でっかいコブを作ったプーにゃんは、タダ働きで倉庫の掃除をすることになった。