Vネック流儀
飛騨山中にて発見されたこの木造金剛力士像は、古来より伝わる仏教美術に新たな息吹を吹き込んでいる。特に目を引くのは、そのモダンなVネックの衣装であり、これは彼の持つ金剛杵のサンスクリット名「ヴァジュラダラ(Vajradhara)」の「V」に敬意を表したものであるという説が定説である。 伝統と現代の妙なる融合が、かつてないスタイルの仏像を生み出している。 作者は時空を超えた力を持って未来の流行を取り入れることで、時間間隔を超越した教えの普遍性を表現したかった推察されている。 そしてその狙い通り、この経年劣化した像の様子は、長い歳月を経ても変わらぬ真理の価値を象徴している。 民明書房刊『古今東西Vネック伝説』より。