北界の遺風・ペンギン相撲
奥深い北極圏の伝統、それがペンギンを用いた壮絶なる相撲である。この風習は、寒さ厳しい地で育まれた人々の間で代々受け継がれてきた。「マスター」と呼ばれる調教師は、ペンギンとともに寝食し、鍛え上げたペンギンとともに「バトル」に明け暮れたという。 不思議なことに、この競技はロシアを経由して江戸時代の日本へと伝わり、その後、現代の携帯型ゲームソフトのアイデアの源泉となった。 世界を席巻する大ヒットとなったこのゲームは、遥か遠い北の地から生まれたペンギンたちの勇姿を、小さな画面越しに伝えている。 この絵画は、アラスカ北部の朽ちた家で発見されたもので、年月を経て色あせ、画面には細かなひび割れが見られる。ペンギン相撲が、いかにして地球の片隅から世界中に広まったかの物語を、この一枚の画が静かに語りかけている。 民明書房刊「氷雪の彼方から来た闘鳥:ペンギン相撲と文化の交差点」