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秘密の花園
面接の後、「お花畑に行きますよ」と車に乗るように促されました。 (単なるバイトの面接のはずなのに) わたしはそんな疑問を抱きつつ、車に乗りました。 車には、お店の人が何人か一緒に乗っていましたが、誰も一言も喋りません。 車はどんどん山奥へと進んでいきます。やがて日が暮れたころ、車が止まりました。 どうやら、目的地へ着いたようです。 車から降りると、そこには一面にユリのような花が咲いています。 しかもそのユリの花はぼうっと発光しているのか、日が暮れたにもかかわらず、花畑は明るく幻想的な雰囲気です。 「そのまままっすぐ進んで」面接をしてくれた店長さんの淡々とした声に振り返って、わたしは驚きました。 店長をはじめさっきまでエプロン姿だったお店の人たちの姿が、まるで全身にお花をまとっているような 身体中に花を咲かせたユリ人間のような姿になっています。 「ひっ・・・」思わずそこに立ちすくむわたしを、ユリ人間たちは囲むように腕をつかみ、背中を押し、お花畑の中央まで連れて行きました。 何がどうなっているのかよくわからないままお花畑の真ん中に連れて来られたわたしの前に、不意に何かが現れます。 「ようやく見つけたわ。あなたは選ばれたのよ」 発光するユリの中から立ち上がったそれは、大きなユリの花でした。いや、その大きく開いた花の中心に、人の顔のようなものがあります。 「あなたこそ私の分身に相応しい」 それは、そう言うと口から何か光る粉のようなものをわたしに吹きかけました。 そのキラキラしたものがわたしを包み込むと、なぜか今まで感じていた恐れや不安がすうっと消えていきます。 そしてわたしはとても幸せな気分になりました。 気が付くと、目の前にその顔がありました。それは両手でわたしの頬に優しく触れると、その唇をわたしに重ねました。 甘い何かがわたしの唇から口内に、そして頭の中にねっとりと入り込んでいきます。 それはとても、きもちよく、わたしはなにもかんがえられなくなりました。 なにかがわたしの中でなにかが生まれ・・・育っていきます・・・ それは根が伸びるように、頭の中から胸へ、お腹へ、脚へ、腕へ、やがて指先へ・・・ そして、まるでお花が咲くように・・・いや、花が咲いたのです。 花が開いて、ゆっくりと目を開けると、その美しい花園の景色が目に入ります。 その幸福の中で、わたしははっきりと理解しました。 わたしは、フロレズンさまの分身として生まれ変わったのです。 フロレズンさまに代わり、また別の場所にこの闇の花を群生させることこそがわたしの使命。 そしてその花粉で人間どもを闇に堕とし、この世界を闇の版図とするために。 そんなわけで ユリ女を生成してみたらピエロみたいの(笑)が出てきたのと、 ユリ女戦闘員さんがなんか怪しい雰囲気wだったので フロレズン編にしてみました。