1 / 3
New material
「見られたからには、ただじゃおけないわね」 突然現れた、というより実体化した、と言った方がよいのでしょうか。 なにか風のようなものを感じて振り返ると、そこにその女の人がいました。 全身銀色の、まるで鏡のようなテカテカとした体、頭には体と同じようにテカテカとした仮面をかぶり、そして、その人には長い尻尾がありました。 「あの、たたじゃおけない、って」 わたしは、その人の言っている意味が分かりませんでした。テレビの撮影なら、その恰好もわかりますが、その、現れ方があまりにも唐突すぎます。 その時でした。黒塗りの車がそこに現れ、ドアが開きます。 「フ」その女の人が鼻で笑いました。次の瞬間、女の人の尻尾が、目にもとまらぬスピードでわたしを縛り上げ、わたしは悲鳴を上げる間もなくその車に引き込まれました。 「あなた、綺麗な顔してるわ」女の人が、縛られたままのわたしの顔を見て微笑みました。次の瞬間、女の人の口が開くと、何かがやはりものすごいスピードで口の中から飛び出しわたしの唇に飛びつきます。それは、なんというか、舌のようなものでしょうか。 「ん?」唇をかき分けて口の中に入ってきたそれから、なにか甘いものが溢れてきます。なんだか頭がぼうっとして・・・・ (ミス・ラビィ) 女王様が、呼んでいるのはどうやらわたしのことのようです。 気が付くと、わたしはよくわからない格好をしていました。なにか、全身を拘束されているような、それでいて自由なような、不思議な感じです。 そして、なぜか周りの音に対してすごく敏感になっています。どんな小さな音でも、どこでどんな音がするのか、すごく正確にわかるのです。 女王様の声は、なぜか頭の中に直接響いています。姿も見えないのに、なぜかその声は女王様だとわかるのです。そして、女王様の仰せには、従わなければならないことも。 わたしはそこにひざまづき、女王様への忠誠を示しました。 「洗脳は、順調なようです」わたしの横で、キャメリィ、つまりわたしをここへ連れてきた女の人ですが、彼女が女王様にそう報告しています。彼女は、カメレオンの機能を持っています。わたしは、彼女が隠密行動を解除する瞬間を見たのでした。 (ミス・キャメリィに従い、能力を獲得しなさい) 「はい、女王様」わたしは、反射的にか、違和感なくそう答えることができた。 そして、ついに私が実戦投入される日がやってきた。 一次改造の後、女王様に忠誠を誓ったあの日から、キャメリィの指導を受けて能力の使い方を習熟し、先日ようやく二次改造を受けることができた。 最初は戸惑いもあったが、女王様のご命令に従うたび、キャメリィに与えられたミッションを果たすたび、私の能力は向上し、戸惑いは気持ちよさに変わっていった。女王様のご命令を果たすことは、いまや私の最上の幸せだ。 今日のターゲットはとある女の誘拐だ。彼女はまた新しい素体となって、私たちの仲間になるのだ。 今回のミッションでは、私のソナー能力で実行役のキャメリィを支援するのだ。 任務が成功裏に終わることを、私は確信している。 カメレオン女とかウサギ女作ってみたんですけど、何も考えないで作ったので、超後付けで超適当な話付けてみました。女王様はもちろんBさまです(笑)