Prototype 2024-04-16 (3)
遺跡の最下層に辿り着いたあたし達は、大広間の祭壇で精緻な彫刻の施された石櫃を見つけた。 おもむろに蓋をずらしていくと、中には見事な装飾の施された大剣が納められていた。 剣を守護する何者かの求めに応じ、リーシャは剣の神子としての証を立てて聖剣を手にする。 これで目標達成と思ったのも束の間。広間に満ちた威圧感は、薄れるどころかより重々しさを増していった。 “ 人の子よ。剣の神子たる汝に最後の試練を与えよう。我を打ち倒し、聖剣を振るうに足る力を示すがいい!! ” 次の瞬間、目の前に巨大な火球が現出する。すべてを灼き尽くさんとする紅蓮の業火から生まれ出でたのは、燃え盛るような深紅の鱗に覆われた巨大な竜だった。迷宮内で竜の類いとは何度か交戦していたが、そんなものとは明らかに格が違う。 “ 我が名はイグニス。熾焔竜イグニス=ヴォルニクスなり!! ”