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家猫
家で猫を飼っている 白くて長毛のふかふかなメスだ とても可愛いのだが、躾に失敗したようで 私の部屋をトイレと勘違いしているようだ 部屋にこっそりとやって来ると、入り口でふるふると震えだし、ばしゃっと出した後、更に奥までゆっくり入ってきて布団の傍らに座ると全身を大きく震わせて絞り出すような声を上げながらじょぼじょぼと垂れ流す そして何事も無かったように左右を見ながら部屋から出ていくのだ おかげで毎回粗相の始末は私が行っている 利発そうな顔をしているが躾は大切だと痛感させられる …… 吾輩は猫である。名前は「しるく」 吾輩の白くてふかふかな髪の毛を見たご主人がくれた名前だ 吾輩は基本人間は嫌いだがご主人だけは別だ 優しそうな見た目をした、人間が言うところの「イケメン」なのは間違いないし、実際優しい それに、とっても好きなニオイがする 好きなニオイと言っても、大好物のさんまごはんのニオイの好きとは違う気がする 理由がわからないからなのか、気づくと足が勝手にご主人の部屋に向かっているのだ 今日もご主人は留守みたいだ ご主人の部屋、つまりご主人のニオイを貯めるだけ貯めた聖域 言うなら「ご主人のニオイ貯蔵庫」だ 部屋の入り口を開けた瞬間、ご主人のニオイに包まれておまんこから滝のように水っぽいものが出てくる なんなんだろう…これ おまんこから頭に向かって落雷を食らったように痺れる感触が駆け抜け、視界が白くフラッシュしている はぁ、はぁ、ご主人のニオイ…気持ちいいよぉ… もっと…もっと濃いニオイが…欲しい… 体が何故かご主人のニオイを求めて力の入らない脚で歩みを進めると布団が有る ニオイの中心地、言ってしまえば ニオイの渋谷スクランブル交差点 「んああああぁぁ…んっ!んっ!イクっ!イクゥ!いえっ!もうイってる…のにっ…イクのっ!」 なんだか頭だと何もわかってないのに腰ががくがく震えておまんこからさっきよりもたくさん水が流れ出てる ご主人のニオイを嗅ぐだけで理解よりも早く口から嬌声が溢れ、おまんこから全身の水分を集めたように大量に流れ出している なんなんだろ…でも、気持ちいいのだけ理解できる よくわからないけど、ここに来ると必ずこうなってしまう 本当はご主人に迷惑かけたくないから、嫌なのに… どうしよう…また…しちゃった… 吾輩のおまんこから流れ出た水の上で寝てしまってたようで、ふかふかの毛が体にぺたっと張り付いている なんだろう…頭では大好きなご主人に迷惑かけてすごく嫌なのに…毎日体が求めてしまうニオイ… …… 最近気づいたのだが、うんちはちゃんとトイレでしているのだ どうしておしっこだけわざわざ私の部屋にきてしてしまうのか… と、言うより、おしっこされてるのに部屋におしっこのニオイがこもってないのもよくわからないな まぁ、うんちはトイレ使ってるし、もう少し様子を見ることにしようか