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好きな撮影(こと)、好きな娘(こ)と

気持ちの良い秋晴れの日、私は瑞葵ちゃんを誘って自然公園の湖近辺に足を延ばしました。瑞葵ちゃんと秋の自然公園でデートするのは2回目ですが、今回は彼女を撮影する事に重点を置いています。天気も良く、気温も暖かくてよかった。良いロケーションで撮れそうです。 「凪さん、今日は明るい顔をしてますね。この間見かけた時は元気が無さそうで心配でした。何かお悩みがあったんですか?」 「うん、実はちょっとね。知り合いの女性とえっちな事をする夢を見ちゃって、女性との距離感について考えてたんだ」 私がそう言うと、瑞葵ちゃんはちょっと顔を赤くしました。しまった、あんまり女の子に気軽に話す話題じゃないよな。と思っていたら、 「こ、子供は何人いましたか?」 なんて聞いてきました。飛躍が過ぎる。 「いや、子作りとか結婚生活のレベルじゃないよ。あー、その、幽魅に胸を見せてもらうって内容だったんだ」 「むむー、知り合いって幽魅さんかぁ・・・意外と強敵なのかも」 瑞葵ちゃんは眉間にしわを寄せて考え込み始めてしまいました。デート中に他の女性の話をした私のせいでしょう。 「ごめん、デート中にする話じゃなかったね」 「う~ん、まあ、前向きにとらえましょう。凪さんはプロだから『被写体女性に手を出さない』主義なのかとも思ってたので、普通に女の人をえっちな目で見る事もあるし、そういう欲求もあるって分かってちょっと安心しました」 瑞葵ちゃんはふわりと笑いますが、私はえっちなおじさん認定されたみたいでちょっと心臓が跳ねました。 「・・・そう言葉にされるとちょっと居心地が悪いけど、まあ、うん。普通に女の人の裸とか興味あるから。ただ、ちょっと仲の良い女性が多いかなとは思うけど」 「いえいえ、男性が女性に興味を持つのは自然ですし。子供向けアニメの歌詞にもあるじゃないですか、『ヤりたい娘(こ)とヤったもん勝ち、青春なら』って」 そんな歌詞の子供向けアニメが放映されてたら、もう終わりだよこの国。 「いやでもさ、もし私と瑞葵ちゃんが恋人同士だったとしたら、私が他の女の人に鼻の下を伸ばしてるのは嫌でしょ」 「ふふ、そうでもないですよ?だって最後には『やっぱり瑞葵ちゃんが一番だよ』って言って帰ってきてくれるって信じてますから」 「すごい自信だね!?いや、でも確かに瑞葵ちゃんが彼女だと他の女性が霞んじゃうかもね」 見た目も声も性格も良くて、ちょっとえっちなところもある女の子が自分を好きになってくれてたら、それ以上を求めるのは強欲すぎるでしょう。 「・・・でも、そもそも私と凪さんが恋人同士になるっていう前提が成り立たないですねー。だって凪さん、私を彼女にしたくないでしょう?」 「ええっ!?」 彼女としてはないな、とかそんな事全然考えた事も無かったけど! 「あ、さては自分では気づいてないんですね?凪さん自身の性癖ってものに」 「わ、私の性癖?」 何だろう、何の話なんだ? 「凪さん、私と初めて出会ったあの夏の日を覚えていますか?」 「うん、もちろんだよ。あの日はやけに暑くて、少しでも涼しそうなところを歩こうと思って川沿いにいったら、下着姿で川遊びしてる女の子がいてびっくりしたから。ただ、一目見て分かるくらいすごい可愛い子だったから、『絶対にこの子の写真を撮りたい』って思っちゃって、見なかったふりして立ち去るのはできなかったね」 瑞葵ちゃんは目を細めて、あの日を思い出したのでしょう、少し笑いをこぼしました。 「あの時の凪さんはすごく緊張してましたね。『ちょ、ちょっと君、写真一枚撮らせてもらっていいかなぁ!?あっごめんね私プロのカメラマンしてる者だけど、決してえっちな目的とかじゃなくて、純粋にすごく可愛い子だなって思ったから撮りたくなっちゃっただけで、写真も変な事に使うつもりないし、だからどうか一枚撮らせてくれないかなぁ!?』って早口で言ってきたのをよく覚えてます」 「そんな事口走ったの私!?改めて聞くと不審者以外の何物でもないよね、見ず知らずの男がそれ言ってカメラ構えたらさ!」 「ええ、私も勢いに負けて一枚だけなら、って撮影許しちゃいましたけど、あれがきっかけで性癖目覚めちゃいましたからね」 元々下着姿で川遊びなんてしてる時点で、素質はあったんだろうけど、私がそれに気づかせてしまったのでしょう。 「でも、その時目覚めたのは私だけじゃなくて、凪さんもだったんじゃないですか?気付いてないなら言葉にしますけど、凪さん『恋人でもない女の子とのえっちな出来事』が好きですよね?」 ・・・い、言われると確かに、そのワードにはとてもそそられてしまう自分がいる。 「ほら、イメージしてみてください。女子中学生に乳首隠したおっぱい見せてもらったり、他に好きな男子がいる娘から膝枕してもらったり、実の妹の胸に顔をうずめて一緒に寝たり、お金持ちのお嬢様から彼女そっくりのキャラを攻略するゲーム渡されたり、メイドさんの着替えを覗いちゃったり・・・」 「待って待って待って!?全部身に覚えがあるんだけど!何で瑞葵ちゃん知ってるの!?」 「えっ、私はただ『そういう事もあるかな』という一例として挙げただけですよ?」 それでこの一致率とかありえるのか!?大丈夫かな、私や私の荷物に発信機とか盗聴器とかついてないかな!? 「ふふ、まあとにかくです。凪さんはそういう背徳的な性癖があるので、私と恋人になったら逆に私に飽きちゃうんじゃないかと思います。だから、私は凪さんの彼女にはなれません」 「ええー・・・そんな斬新な振られ方、今まで生きてきて聞いた事無いんだけど・・・」 でも逆に言うと、それって瑞葵ちゃんは飽きられたくないって思ってるって事ですね。 「なので凪さん、これからも仲良くしてくださいね?そして時々は、ちょっとえっちな思い出も作っていきましょう」 瑞葵ちゃんがいい笑顔で笑い、私はそれを見て『撮りたい』と思ってカメラを構えます。やっぱり私も、この娘の事が好きなんだなぁ。 この噛み合わない両想いにつける、適切な呼び名を私は知りません。でも、よく分かった事があります。 好きな事は、好きな娘(こ)と。

コメント (8)

うろんうろん -uron uron-

最後にタイトルに結びつく構成ね♪

2024年11月24日 08時29分

早渚 凪

こういう言葉遊びみたいな言い回しは世界各地にありますが、日本語は漢字の存在から群を抜いてやりやすいと思います。

2024年11月24日 09時36分

ルノハ:停滞中
2024年11月24日 08時28分

早渚 凪

2024年11月24日 09時33分

JACK

後味悪くない、とても素晴らしい振られ方ですね^ ^

2024年11月23日 23時59分

早渚 凪

同じ世界観の中で色々なヒロインを出して投稿作品を作ってる以上、特定のヒロインと関係が進み過ぎると他のヒロインのイベントが作りにくいので・・・。 とはいえガッツリ拒絶されちゃうとそれもそれで今後登場させにくいから、このような形になりました。

2024年11月24日 00時35分

猫団子🐈‍⬛🍡
2024年11月23日 23時19分

早渚 凪

2024年11月24日 00時33分

白雀(White sparrow)
2024年11月23日 23時18分

早渚 凪

2024年11月24日 00時33分

Jutaro009
2024年11月23日 23時14分

早渚 凪

2024年11月24日 00時33分

五月雨
2024年11月23日 15時03分

早渚 凪

2024年11月23日 16時18分

杖先なぎ
2024年11月23日 15時02分

早渚 凪

2024年11月23日 16時18分

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2024年7月よりAIイラスト生成を始めた初心者です。 全年齢~R15を中心に投稿します。現在はサイト内生成のみでイラスト生成を行っています。 ストーリー性重視派のため、キャプションが偏執的かと思いますがご容赦願います。

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