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侵略
「なんじゃこりゃ……」 オフィスにきてテレビを見て驚く。 「なんだよ、オイ!!💥」 美波「(あー、キレてるキレてる)」 最近は反応がわかるようになってきた。扱いはともかく。 (〜8枚目) 意味ないとわかってるミーティング。 「どうなってんだよ! おい、福岡と連絡とれんのか?」 『現状、連絡取れてます。チームを展開させて阻止行動に入るとのことです』 「なんで護衛艦がやられてクソどもが上陸してんだ! 俺たちのF-15とF-35はどうなってんだ。いずもで運用してんじゃねーのか!?」 どうやっても先輩の怒りは収まる気配がないので、参加者は美波に目配せした。 美波は家族のネタをでっち上げて耳打ちし、会議室から中座させることに成功した。誤報でしたと謝罪しつつ、トイレで顔を洗わせ、ついでに髪を結い直したりする。 (〜12枚目) 局長からの電話。 「あい……国家安全保障会議に? 俺が? きっと後悔しますよ」 『かもな』 「出かけてくる。各隊へ連絡つけとけ。戻るまでに覚悟キメとけよ。美波、同行しろ」 美波「おともします」 (13〜15枚目) 局長&その副官と合流し、官邸に入る。 スタッフ「ここは禁煙です」 先輩「……」 スタッフ「お待ちください。当館は禁煙です」 構わず歩く先輩の肩に手をかける… 美波「その手を離しなさい。上司への無礼は許しません」 SPも脇からP230を出して集まる。 局長「(うんざりした顔でSPに手を振る)」 先輩「俺は呼ばれてきたんだ。帰れってか?」 美波「権限とご覚悟があるのですよね?」 局長「銃を下ろせ。君も下がりたまえ。首相のゲストだ」 (16・17枚目) 「西部方面隊はどーしてんだ? 俺たちの自衛隊はナニやってんだ!?」 陸自『いま連絡、通信系統を確保中だ。何しろあっちは大混乱だ』 「美波、ウチらの福岡は?」 美波「新宿経由なので完全なリアルタイム情報ではありませんが、すくなくとも福岡は22チームを掌握、阻止活動のために展開しています。また、隷下各九州支所の要員を呼集しています。12チームは確保できそうとのことです」 警察庁『SATと機動隊がそれに呼応し、一部は指揮下に入っている』 「だとさ。パラミリ*がこんだけやってんだよ。防衛だけじゃない。反攻作戦はあるのか?」 防衛省『……』 自衛隊『まずは部隊を立て直し、組織的な反撃を実施する予定だ』 「ホントにあいつらを退ける気ぃあんのか? 空自、千歳・三沢・百里・岐阜・小牧・小松からは飛んでないのか?」 空自『…調整中だ」 「さっさと制空権を確保しろ。そしてF-2で艦を叩け」 (19〜21枚目) 「美波、オフィスに連絡しろ。九州出張の希望者を募れ。あと米軍に輸送機を出させろ」 美波「かしこまりました(べーぐん…?)」 *自衛隊が軍隊かどうかというのは国内の問題で、諸外国からは立派な軍隊だ。パラミリ=Paramilitaryの範囲がどこまでかは曖昧だが、先輩は警察や海保、自分らの組織のことをそう区分している。