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ボクサー映画と卵ごはん
ブロント少尉は、ベットに寝そべって朝っぱらから映画鑑賞中だ。 結構古いボクシング映画で、イタリア系のヘビー級ボクサーが、相手をノックアウトし勝鬨を挙げている。 恋人がリングに駆け上がってボクサーに抱き着いてキスすると。 「ウヒ」 ブロント少尉は気色悪い笑みを浮かべる。 「隊長に朝ごはん作ってあげようかしら」 ろくでもないことを思いついたらしい。 「生卵は、日本が本場ね。シェイクにするより、ライスにかけた方がいいかしら。 そうしたら、隊長だって、彼みたいに、何度だって立ち上がるに違いないわ」 巨大などんぶりに盛られたご飯に、10個以上の卵をかけているブロント少尉を横目で見ながら。 (卵は一日3個までですよ。隊長を早死にさせる気ですか) シルビア伍長は、爆発に巻き込まれるのを避けるために、気配をさせずに部屋を出て行った。