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ダークエルフの同胞(はらから)
「ちょっと、お父様!!どうゆうことですか!!」 ハーフエルフの少女が、魔道電話に向かって怒鳴りまくっている。 ダークエルフの血が混じっているのか、肌の色がわずかに褐色がかっている。 妖精のような銀髪に、ほのかな褐色の肌、小柄で華奢な体つきに、大きくてたれ気味な目と、黙っていればかなりの美少女なのに、電話相手にがなり立てていては台無しだ。 「お母様に、オークの子供がいたなんて聞いてないんだけど!!」 『~……~』 「はっ?夫だけど妻じゃない?何言ってるのよ!!」 『~……~』 「えっ、オークがいい男だって!!そんなわけないでしょ。 お母様の見る目は間違いないって!?それで夫なの!?」 『~……愛……~』 「もういい!!馬鹿親父!!」 ハーフエルフの少女、どうも服装からするとそれなりのお嬢様のようだが、最後は父親への罵声で電話を切った。 どうも、彼女の両親は、特異な価値観と貞操観念を持ち合わせているらしい。 「まったく!!お屋敷に帰ったらとっちめてやるから!! それより!!、今はあのオークがお母様に何かしていないか心配だわ!」 ずんずん歩いて、冒険者の店の自室に戻ると、扉をバーンと開ける。 何やら深刻な話をしていたダークエルフの美女と、屈強なオークの戦士が、驚いて扉の方を見るがお構いなし。 ダークエルフの手を引っ張ってテーブルに連れてくる。 「ちょっと、お母様!!、どうゆうことか説明してください!!」 姉妹にしか見えないのだが、険しい表情で母親を詰問する。 「……え、えっと……」 母親は、見た目とは違ってのんきな性格らしい。 娘の剣幕に押されてというか当惑して、まともにこたえられない。。 そこに、オークが追いついてきてたしなめる 「はらからよ、母者をこまらせるでないぞ……」 「なによ?はらからって」 「……、同胞とか、同士とか、仲間とかの意味だな。もともとは、同じはら(胎)から生まれたきょうだ……」 「うっさい!!生くてきしょい事言うな!!ポンコツダークエルフ!!」 母親の言葉を、途中で大声を出してさえぎるハーフエルフ。 「妹よ。母上に無礼な口を聞いてはならない」 「えっ……」 口調を改めて再度注意したオークの言葉に。 なぜかハーフエルフの美少女は、顔を赤らめて俯いた。