ほら、よく見てくださいよ。これでもボクが女の子に見えますか?
仲のいい後輩ちゃんと一緒に森を散策しているときだった。 いつも通り他愛ない会話をしながら、楽しいひと時を過ごしていた。 後輩ちゃんはとにかく可愛いかった。 顔もそうだが、身なりや言動も可愛らしくて男にモテる。 だが、後輩の性別を知って夢を壊される者が多い。 実は彼はこう見えて男なのだ。 もちろん僕はそんなこと知っている。 でも、はっきり言おう。 それでも、可愛いから時々ドキッとする。 妙に僕に懐いてくれてるということもあって、 笑いあって散策しているとデートしているように錯覚してしまうことがある。 本人は男として頼られたいみたいだけど。 ただ、彼には困った癖がある。 それは、僕以外に人目がなければやたら脱ぎたがるということだ。 そのたびに僕は目を逸らしてしまう。 女の子の裸を見ている気分になってしまうからだ。 それを知ってて、わざと僕に裸を見せて男であることを証明しようとする。 どう見ても女の子に見えるんですけど。 相変わらず顔は可愛いし、 肌も白くてきれいだし、 なんだか胸もほのかに膨らんで見えるような… いや、わかるよ。 下についているものを見れば、 生物学的には男の子なんだろう。 でも、僕の脳はバグっているらしく、 それはそれでお得なのでは?と訳の分からない思考へたどり着こうとしていた。 僕はノーマルだ。 でも、心のどこかで後輩ちゃんとなら… とか思ったり思わなかったりすることがあるのは事実なんだ。