今日も無口なんですね。あなたはいつもまねっこばかりです
ダンジョンの歪で自然発生したスライム。 周りに仲間はいないので、いつも独りぼっちだった。 ある時見つけた曇り切ったガラクタ。 触ってみると、少しだけキラキラと光った。 もっと光が見たくて、粘液で磨いて綺麗にした。 そこには私と同じスライムがいた。 嬉しくなって名前を聞いた。 でも、返事は返ってこなかった。 次の日も会いに行った。 彼女は私と同じ時間に現れた。 嬉しくなって友達になってくれないか頼んだ。 でも、返事は返ってこなかった。 次の日も一緒に遊んだ。 彼女は相変わらず全然喋ってくれないけど、 ずっと独りぼっちだった私にはそれでも一緒にいられることが嬉しかった。 彼女は来る日も来る日も話しかけ続けた。 いつか一緒におしゃべりできることを夢見て。 それが姿見であるとは気づかずに。