吾輩は猫ニャ/スマホ壁紙アーカイブ
【吾輩は猫ニャ】 吾輩は猫ニャ。名前はまだニャい。 そして今宵、吾輩の目の前には一筋の黄金色の希望が落ちているニャ。 彼女はそれに気づいてニャい。 白い装束を揺らしながら湯気立つ器に夢中で、一本落としたことすら意識の外にある様子ニャ。 まったく、人間とは不注意な生き物ニャ。 吾輩は慎重に身を低くし、前足の角度を微調整しながら距離を詰めていくニャ。 油断してはならニャい。一瞬の隙がすべてを決めるニャ。 目の前にあるのは、単なる麺ではニャい。 これは、誇り高き吾輩の今夜の戦いであり、栄光の証ニャ。 「拾い食い」などという下品な言葉で片付けられるものでは決してニャい。 これは選ばれし者にだけ許された、深夜の儀式ニャ。 一歩、また一歩。麺はまだ逃げニャい。 チャンスは、今――! (※この後、彼女がふと視線を落とし「あっ」と小さく声を漏らすのだが、それはまた別の話ニャ)