浪人太平 洋 、大海を彷徨う
大海原を小舟が一艘 その小舟には侍風の男と娘が一人 侍風の男の名は「太平 洋(おおだいら ひろし)」 元藩士である。横の娘は妹の「エル」である。 娘「兄様、追手の姿は10日以上見ておりませぬ。完全に振り切りましたね。」 侍「お前まで巻き込んですまぬ・・」 娘「何をおっしゃいます!兄様。悪いのはすべてあ奴ら。」 侍「にしてもさすがに殿の面前で家老を殴り飛ばしたのは・・思慮が足りなかった。」 娘「足りないのは殴り方です。十発で止めるなんて兄様は優しすぎます。」 侍「ふう・・。もうはこの話はやめよう。それにしてもまるで陸が見えぬ。すでに一か月は彷徨っているような・・。このままこの生き物について行っていいのだろうか?」 娘「兄様!このものたちのおかげで追手を振り切れたし、食料の魚を手に入れることができたのです。命の恩人です。このものたちの進む方向の行きましょう。」 さらに一か月の後、二人はカリメア帝国の船に救出された。カリメア帝国皇帝は彼らが自分たちの知らない国から来たことを知り、驚愕するとともに彼らの国にすごい興味を抱いた。 一年後、カリメア帝国皇帝は、この侍の先導で彼らが住んでいた国「エド王国」に特使を派遣し、国交を締結することとなる。 そしてこの時の航路は、侍の名をとって「太平洋ルート」と呼ばれるようになった。