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【裏の運び屋】「あちらのお客様からです」
スマイル商店街の片隅にあるBAR「Lucky Seven」 カラン マスター「・・・ いらっしゃい。」 ドヌーブは店内を一瞥すると、カウンターに腰かけた。 マスターは黙ってカクテルを作り・・ 「どうぞ。」 ドヌーブ「あら?」 彼女が注文する前にカクテルが置かれた。「シャンディ・ガフ」である。 マスター「あちらのお客様からです。」 ドヌーブ「ありがとう。遠慮なくいただくわ。」 この世界ではヤバい物を専門に扱う「運び屋」が大勢いる。 しかし本当に腕利きといわれる者たちはほんの一握りである。 このため、闇の組織の取りまとめである「十老会」は、特に優秀な者たちをランキングし高額な値段で斡旋した。 BAR「Lucky Seven」は、「十老会」の斡旋人が現れる場所であり、裏の運び屋はここで仕事の斡旋を受ける。 だが、斡旋人が持ってきた仕事と運び屋が希望する仕事が一致しない場合もある。 その時は相手にカクテルを一杯おごるのだ。 「シャンディ・ガフ」のカクテル言葉は「無駄なこと」・・ どうやら、斡旋人の持ってきた仕事は、ドヌーブ向きではなかったようだ・・・・ ※マスターではありますが、ほかに従業員もいないバーテンダー兼任です。ちなみに、「シャンディ・ガフ」はビールとジンジャーエールを割ったカクテルです。