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PinKy・ギャム Vol.08
PinKy・ギャム Vol.08 [PinKy・ギャムのお部屋 Vol.04] 今日も今日とてレトロゲームに勤しむPinKy・ギャム。 今日プレイするゲームは、伝説のバーチャルレトロゲームハード・『ゼガームキャスト』の『シャンプー 第一章 ネオ・サイバーシティ東京』だ。 先にゲームハードの方を紹介すると、『ゼガームキャスト』は発売当時世界最速のスーパーコンピューターを遥かに凌ぐハイパーアルティメットハイエンドコンソールゲームハードだ。ゲームハード界のオーパーツとも呼ばれている。 しかし、あまりにも先進的過ぎるゲーム思想とあまりにも高過ぎるゲーム理念がゆえ、当時のコンソールゲームユーザー達が着いて行けず、駄菓子価格のたった39円(いつも御愛顧サンキュー価格)という低価格での販売にもかかわらず、世界累計販売台数がわずか3台というレジェンドオブレジェンダリーなレトロゲームハードだ。 まさに、時代を先取りし過ぎた悲運の王者と言っても過言では無い。メイビー(ゼガラリー風) 話をゲームに戻すと、時は西暦5963年、高度に発展し超未来都市となった東京が舞台のハイパーリアルオープンワールドゲームだ。 『ゼガームキャスト』の超高速演算処理能力を利用して遥か未来を予想予測し、西暦5963年の東京の至る所を細部まで超リアルに再現しているのが特徴だ。高さ5000メートルを超える超高層ビル群の摩天楼や、自然と一体化した美しい街並みなどは完全に実写と化しており、その息を呑むような超美麗ハイエンドグラフィックスは圧巻の一言に尽きる。さらにあらゆる天候の変化や季節の移ろい、時刻による照度の違いや全ての人々の生活なども完全にシミュレートされており、もはやもう一つの現実と言っても過言では無いだろう。数十年も過去の時代に完全なメタバース空間を構築していたのである。 そんな、超未来都市の一角で美容院を営んでいる、シャンプーするのが得意でシャギーカットの魔術師との異名をとるカリスマヘアスタイリストである『覇突椋』と言う青年が主人公である。『覇突椋』の父もカリスマヘアスタイリストであったが、父が突然現れた正体不明の悪のカリスマヘアスタイリスト『乱亭』に強制的に角刈りにされてしまう。そして父はそれを苦に何処かに失踪してしまったのだ。そんな失踪した父を捜し出し、悪のカリスマヘアスタイリスト『乱亭』にヘアスタイル勝負を挑み、父の仇を討つのがこのゲームの目的だ。 ゲームスタート時『覇突椋』となったプレイヤーは、自分の美容院を訪れる来客のヘアスタイルを次々に整えていかなければならない。 美容院を訪れる来客にはネオ・サイバーシティ東京を跋扈する、ネオ一般人、ネオヲタク、ネオヤンキー、ネオバーチャルアイドル、ネオ教祖、ネオ侍、ネオ地底人、ネオ自称文化人、ネオ独裁者、ネオ荒人神など個性的で癖の強い人物ばかりだ。 来客達は全長5メートルのリーゼントヘアーや直径10メートルのアフロヘアー、さらには頭髪を編み込んで頭上に自由の女神像を作れなど常軌を逸した無理難題を注文してくるが、そこはプレイヤーの腕の見せ所。素早く華麗に仕上げよう。 もし、来客の期待に応えられないとネオ・インターネッツに悪評を書き込まれてしまい、一気に店の経営が傾いてしまうので要注意だ。失敗が続き経営が破綻すると『覇突椋』は巨額の負債を抱えてゲームオーバーになってしまうので上手く経営していこう。 しばらく店を回していると次第に来客とも打ち解けて親密になり、会話の中から様々な情報を得られるようになる。 大半は「昨日はうどんを食べた」や、「ヨガで瞑想をしていたら1メートル程空中浮遊した」など、至極どうでもいい世間話だが、時折悪逆非道を重ねる悪のカリスマヘアスタイリスト『乱亭』の噂を聞けるようになる。悪のカリスマヘアスタイリスト『乱亭』は、何の罪もない善良な人々の髪型を強制的にモヒカンや角刈りに変えるなど、無慈悲かつ卑劣な仕打ちを繰り返しているらしいのだ。 怒りに震える『覇突椋』カリスマヘアスタイリストの風上にも置けない人間だ。 さらに来客達から情報を聞き出し、悪のカリスマヘアスタイリスト『乱亭』のアジトを突き止めよう。アジトの場所が分かれば、あとはその場所に急行するだけだ。 しかし、現場に駆け付けた『覇突椋』が見た光景は、荒れ果ててもぬけの殻になった廃美容院だった。 すでに悪のカリスマヘアスタイリスト『乱亭』は次なる野望のため、国外である香港に向かっていたのだ。 それを知った『覇突椋』は、すぐに悪のカリスマヘアスタイリスト『乱亭』の後を追うのだった。 そして、この物語は『シャンプー 第二章 ネオ・エキセントリックシティ香港』に続くのである… ※これはフィクションです。こんなゲームはありません。