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髪の長いエルフ~消えた彼女を探して~
エルフの戦士、シルヴァは、エルフの村「リーフウッド」で暮らしていた。 「ねえ、エルドリッチ、お前の店で最近見かけない長い髪のエルフ、どこに行ったか知らない?」シルヴァは、村の情報通であるエルドリッチに尋ねた。 「少し前なら覚えているのですが、半年前だとちょっと解りません」エルドリッチは困った顔をしながら答える。 「髪の長いエルフだって?」ドワーフの鍛冶屋、グラッドが割り込んできた。「ここには沢山いるから、そんなの分かるわけないだろう?」 「あなた、その子に惚れてますね」エルドリッチは鋭い視線でシルヴァを見つめる。 「な、なに言ってるのよ!これはただの好奇心よ!」シルヴァは顔を赤らめて言い返した。 「恋と一緒だな、どこに行ったのか探し出すのは簡単じゃないのよ」シルヴァは独り言のように呟いた。 「冗談、顔だけにしろよ」グラッドは呆れた顔で言い放った。 「うるさい!グラッド、協力する気がないなら帰ってよ!」シルヴァはムッとしながら叫んだ。 「まあまあ、そんなに怒るなよ。じゃあ、その子の特徴をもっと教えてくれよ。俺たちで手分けして探してみるさ」グラッドはため息をつきながら言った。 「実は、その子が持っている魔法のペンダントが必要なのよ」シルヴァは真剣な表情で答えた。 「魔法のペンダント?一体何に使うんだ?」グラッドは不思議そうに問いかけた。 「それがね、そのペンダントが私の母さんの形見なの。私が小さい頃に失くしてしまって、それをどうしても取り戻したいのよ」シルヴァは目を潤ませながら話した。 シルヴァとグラッドは村中を駆け回り、彼女の手がかりを探していた。夕方には、二人は疲れ果てて村の広場に座り込んだ。 「やっぱり、難しいね。彼女のことを見つけるのは」シルヴァは肩を落とした。 「まあ、恋と一緒だな、見つけるのは簡単じゃないけど、諦めずに探せばきっと見つかるさ」グラッドはシルヴァの背中をポンと叩いた。 「え?グラッドがそんなこと言うなんて、明日は雨かしら?」シルヴァは驚いた表情で笑った。 「冗談、顔だけにしろよ」グラッドは再び呆れた顔を見せたが、どこか優しげだった。 夜が更け、満天の星空が広がる中、シルヴァとグラッドはそれぞれの家に帰ることにした。シルヴァは、今夜もまた星を見上げながら、消えた彼女のことを思い出していた。 「恋と一緒だな、本当に大切なものは簡単には見つからない。でも、見つける価値があるからこそ、探し続けるんだよね」シルヴァは微笑んで星に囁いた。 その瞬間、遠くで流れ星が一筋の光を描き、シルヴァの願いを受け止めるように夜空を駆け抜けていった。シルヴァはその光景に見入って、再び決意を新たにした。