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護国公アヴェリン、軍を発する
フレリック王の死後、跡を継いだリシャール王の継承を不服とした末弟アンリ王子は、与えられた地を基盤にして王位を求め戦いを起こした。 リシャール新王は敗れ、その跡を次弟グリヴィエが継いだが、彼は仇敵ロブリシュとの戦いで敗れた。 かくして、リシャールの子、幼いアランを王として推戴した。 王女の夫であり国内最大の門閥を支配するアヴェリンは、望めばヴィルアアの宰領を得られたが固辞し、軍権のみを預かり、王家の守護者、護国公となった。 王家に従わなかった諸侯を、諸侯自らによって討たせたアヴェリンは、大規模な軍を動員した。 掣肘や迎撃で幾度か戦ったアンリ王子*だが、いよいよ始末しなければならない。 (*アンリは独立してベーデン・ソレイラを拠点にベーデン王を名乗っていたが、アヴェリンにとってはいつまでも「アンリ王子」なのだった)。 諸将、ルロア・ヴィルア諸侯と話し合い、妻フィリアン(ヴィルア王女、現王のおば、アンリの姉)に決断を告げた。 その陣容はフレリック王の治世でも稀なほどの規模だった。 彼自身がもともと傭兵軍である、いわゆるアヴェリンにルロア大公領の軍で4万、ヴィルア諸侯に7万の動員を課し、さらにアキシミナー新王レイアス*が指揮する4万が参戦する。 (*アヴェリンらの幼馴染のアキシミナー諸侯。いろいろあって、ブノワ王の後を継いだ) アンリ王の気風・性質的にロブリシュと連合することは考えられなかったが、ロブリシュが好機と見て侵攻することはありえる。 アヴェリンはアンリ討伐として自らの4万と諸侯2万、アキシミナー軍1万を率いて進軍する。 残り8万はヴィルア・ソレイラの対ロブリシュ国境に布陣する。 3・4枚目:ヴィルアの将「ここで勝利し、合議と護国公の優位を示さねばならん」 「王子……いや、王のお守り、おこたりなくな!」 アヴェリンは実家イデュイアの軍艦・武将商船による沿岸砲撃も準備していた。これらの陸戦隊・水兵による上陸攻撃も敢行された。 アヴェリン:「会わん! アルソーム王家の家法に則り、粛々として断せよ!」