紅蓮TOKYO/スマホ壁紙アーカイブ
夕暮れが街を包み込む。 空は、まるで誰かの感情を映したように燃えていた。 朱と紅が混ざり合い、ビルの群れに染み込んでいく。 東京はいつも忙しない。 止まることを許さないように、時間も人も流れ続ける。 でも、この瞬間だけは違う。 屋上にひとり。風に髪が揺れて、心の中のざわめきが少しずつ静かになっていく。 何かを失ったわけでも、何かが始まったわけでもない。 ただ、胸の奥に小さな炎が灯った。 名もなき確かなもの。 紅蓮の空は、優しくも強く、東京をそっと抱きしめていた。 そしてまた、夜が来る。 光を残して。