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[考察] Adobeの「自然な彩度」について
AdobeのPhotoshopやLightroomなどに搭載されている「自然な彩度」という機能は他社製品にはないものです。しかしこれを使おうとすると買い切りはできず、最も安いサブスクリプションでフォトプラン・ストレージ20GBが税込月1180円です(追記 : Photoshop Elements は買い切りできるようです。UIはPhotoshopとだいぶ違いますが、自然な彩度は使えるようです。この追記を書いている時点でヨドバシカメラで税込17680円です)。 無料で試用でき、窓の杜では買い切りで税込1150円のPaint.netと比較してみたいと思います。 まず1枚目の画像を見ると、Photoshopの自然な彩度+100(最大)よりもPaint.netの彩度+10のほうがすでに派手で髪留めのバラの葉っぱの色がチープになったような気がします。Paint.netの彩度は初期値が100で0~200に変えられるパラメータで彩度+10というのは100を110にしているので、使用時には繊細さが求められます。 また、王冠や目の色などをよく見ると、Photoshopのほうが濃淡がハッキリしていて美しくなっています。肌の色はPhotoshopのほうがやや濃いめです。 このようにPhotoshopの「自然な彩度」とPaint.netの「彩度」を単純比較すると「自然な彩度」のほうが自然に美しいものが手堅く得られると言えます。逆にビビッドなものを求めるのであれば「彩度」が適していることになります(当然ながらPhotoshopにも「彩度」機能はあります)。 さて、では「自然な彩度」のようなことはPaint.netでは不可能なのかというと、濃淡をハッキリさせたいのであればコントラストを上げればよく、落ちついた色が欲しいのであれば暗めにすればよいのです。 では2枚目の画像を見てください。Paint.netでコントラストだけをいじってもまぁまぁの効果がありますし、明度を下げると落ちついたシックな色合いになります。こうなってくると、Paint.netでもコントラストや明度を適切にいじれば、Photoshopで単純に自然な彩度をいじったものと同じくらいのレベルのものはできる、あとは好みの問題になる、と言えると思います。 結論としては、手早く自然に彩度を上げたければPhotoshopの「自然な彩度」は使い勝手がよく、似たようなことをPaint.netでやろうとすると不可能ではないが手間がかかるし繊細さが要求されると言えると思います。「自然な彩度」のために月1180円を払う価値があるか否かは人によって差異があると思われます。