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冥府の女神と友人と
「おっ、エカティア」 喫茶店でお茶を飲んでいた物静かな少女に声がかかる 声の主は、着崩した制服に、赤から青に変化するグラデーションカラーのサイドテールという、一見不良少女に見える派手な生徒だ。 青い髪の、夜の闇に沈むがごとき印象の少女とは、相いれなく見えるかもしれない 「カタリナ……。あなたも、ここ、すきなの……」 「ああ。何度も来ているよ。となりいいか?」 それにもか関わらず、二人は友人らしかった。 (エカティア、ヘカティア……、ヘカテーかしら) 少し離れて一人お茶を飲んでいたハーフエルフが、耳を動かした。