殴りかかってくる寸前のエルフの戦士。

「宿命の交差点に立つ矛盾の騎士たち」 「やめろ！エルフィナ！」ドワーフのドランが慌てて叫ぶ。しかし、エルフの戦士エルフィナは怒りで顔を真っ赤にして、今にも殴りかかろうとしていた。 「ふくれっ面のエルフィナ、お前は一体何をしているんだ？」ドランは困惑しながら後ずさりする。 「ドラン！お前が私の大事な花冠を勝手に使ったからだ！」エルフィナの目には怒りの炎が宿っている。 「え？花冠？お前があの雑草で作ったやつか？」ドランは思わず笑いをこらえきれずに、肩を震わせる。「それ、ただの草だろう！」 「草じゃない！あれは特別な意味があるの！」エルフィナは拳を握りしめ、ドランに向かって一歩踏み出す。 「おいおい、冗談、顔だけにしろよ」とドランは手を振りながら言う。「まさか、本気で怒ってるのか？」 「恋と一緒だな、分からない奴には一生分からないんだよ！」エルフィナは一瞬立ち止まり、悲しそうに呟く。 「わかった、わかったよ。じゃあ、その花冠を返すから機嫌直せよ」とドランはポケットからくしゃくしゃになった花冠を取り出してエルフィナに差し出す。 「何これ！？こんなボロボロにして！」エルフィナは更に怒りが込み上げてきた。「どうしてこうなるの！？」 「まあ、その...座って話そうぜ。実は、俺も悪かったと思うんだ」とドランはエルフィナを宥めるように言った。 「座って話す？どうせまた適当なこと言うんでしょ！」エルフィナは腕を組み、厳しい目でドランを睨んだ。 「いや、本当に。実は、お前の花冠でドワーフの祭りに出てみたかったんだ。エルフの飾りをつけたら、どんな感じになるか試してみたくてさ」 「そんなことのために...本当にバカなんだから！」エルフィナは溜め息をつき、ドランの言葉に呆れたように言った。 「でもさ、エルフィナ。お前が大事にしてるってこと、今はわかったよ。だから、謝るよ。ごめんな」 エルフィナは少し驚いた顔をして、そして微笑んだ。「まあ、仕方ないわね。次から気をつけなさいよ、ドラン」 「もちろんだ、エルフィナ。恋と一緒に、大事なものは丁寧に扱わなきゃな」とドランはニヤリと笑って答えた。 そして、物語の最後に訪れる静寂は、夜の帳が降りる頃。月光が草原に柔らかい光を投げかけ、二人の姿を包む。風はそよそよと吹き、木々の葉は静かにざわめく。星々は天空に散りばめられ、まるで運命の糸が交錯するかのごとく、微かな輝きを放っている。 「こうしてまた、彼らの冒険は続いていくのであろう。次なる出会いと別れ、そして新たな試練が待ち受ける中で、互いの絆はさらに深まっていくのだろう」と、どこかで囁く風の音が聞こえるような気がした。