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妖刀村雨丸
村雨っていうのは、江戸時代後期の読本『南総里見八犬伝』に出てくる架空の刀なんだよね。この刀は、物語の登場人物である犬塚信乃(八犬士の一人)が使っていて、特徴としては、刀を抜くと刀のつけ根から露が発生して、寒気を呼び起こすんだって。 それに、使い手の殺気が高まると、水気が増して、人を斬るときには刃から血を洗い流す力があるんだよ。その力が、まるで葉先を洗う村雨(叢雨、驟雨のこと)のようだから、この名前がついたんだって。 それから、この刀は「抜けば玉散る」、「三尺の氷」なんて形容もされていて、邪を退け、妖を治める刀とも言われているんだよ1。すごい刀だよね!