(…………だめだ……っ。私は、もう………っ)
また、やってしまった。それが彼女の毎日の後悔。 情欲と肉欲と愛欲にまみれ、ひとしきり満足して冷静さを取り戻す。ウォッカをストレートで何杯も飲んだような、ぐらつく頭の中が不快でしかたない。なのに『ぐちゅっ、ぶぴぃっ』と身捩りする度に、膣口は啼いて肉棒をねだる。 本当なら、決してあってはならないこと。 一人の男に溺れることも、不用意に孕んで子を成すことも。直近で果たした『仕事』を思い出し、自分は何のために存在しているか心に刻む。何度も何度も何度も何度も――――過去で斬り付けて傷は残らない。 (…………だめだ……っ。私は、もう………っ) 氷から融けたどろどろの心は、刃を立てても沈めて飲み干す。 そうしてしまったのは目の前の彼。2時を回った深夜にもかかわらず、まだまだ彼女との交わりを望み勃起する。彼女のナカに子種を注ぎ、二度と心を凍らせないようにと……。 残る理性で閉じた脚を、大きな掌が掴んでこじ開けた。 開いた雌肉の真ん中には、閉め切っていない半開きの扉。宛がわれる熱い塊に、彼女は一筋涙を流す。悲しいのか嬉しいのか、自分でもわからない捨てた筈の感情で。 『ぢゅぷんっ』。 彼を待ち望んだ彼女の身体は、誰より正直に容易く貫かれた。