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竜と絶景友人と

「わーすごーい~。高い~!!。お城のてっぺんからでもこんな景色見えないわ。」 背中の上で、年相応に興奮し喜びはしゃぐ、狐耳の密偵少女の様子に、東方竜は微笑む。 いかつい竜の顔のはずなのに、口のゆがみは微笑であるとみるものにはわかった。 「ありがとう、タキザワさん。でも……、どうして私をわざわざ背中に乗せてくれたの? 普通はしないんでしょ?」 この辺りは、さすがに盗賊ギルドの構成員だ。 見返り無しに人が善意、好意を寄せることはあまりない。 ただ、見返りが金銭や仕事だったらそれは別にかまわない。 厄介なのは……。 「わたしの身近ではあなたの様な方は貴重なのです。 アーゼリン様はよき友で優れた人物ですし、各神殿の方たちも高潔で立派な方ですが……」 苦笑しながら語るタキザワこと東方竜。 「ああ、なるほどね……」 タキザワが何を言いたいのか、察しがついた。 彼女の母親のアーゼリンは、天然な捉えどころがない浮世離れした性格だ。 各神殿のおえら様と交流があるとは聞くが、そんなおえら様と楽しい会話ができるとも思えない。 ダキニラ自身は、幸運神の神殿には実は所属していない。堅苦しい神殿のの約束事や行事にとらわれるのはごめんだ。幸運の女神はおおらかであらせられるので、信仰の形式にはこだわらないのだ。 それ故に、ダキニラは幸運神の神官と盗賊ギルド員という、希少な二足の草鞋を履けているのだ。 そんなダキニラにタキザワが求めることは。 ぶっちゃけ、タキザワは暇なのだろう。 竜の体は勿論、人間に化けても巫女の立場では、街に気ままに繰り出すこともできまい。 ダキニラは盗賊ギルドメンバーで新聞記者なので街の世情に詳しいし、神官でもあるから巫女や神殿関係の事情にも通じている。 「わかった。時々お土産持って、おもしろい話でもしに来るよ。なんなら、変装も手伝うから街に繰り出そう」 「ありがとうございます。ダキニラさん。その時はお願いしますね」 タキザワは、いかつい竜の顔でにっこりと微笑んだ。

さかいきしお

コメント (10)

WEED
2024年01月27日 13時17分

さかいきしお

2024年01月27日 14時36分

のんですの♪
2024年01月25日 01時56分

さかいきしお

2024年01月27日 14時36分

アゲアゲのからあげ
2024年01月22日 14時32分

さかいきしお

2024年01月22日 14時37分

夢職人
2024年01月22日 11時55分

さかいきしお

2024年01月22日 11時56分

寝空
2024年01月22日 11時45分

さかいきしお

2024年01月22日 11時52分

yoloyolo

なるほど!龍に乗ったら絶景に出会えそう!

2024年01月22日 11時36分

さかいきしお

2024年01月22日 11時52分

ガボドゲ
2024年01月22日 10時02分

さかいきしお

2024年01月22日 11時52分

bonkotu3
2024年01月22日 09時35分

さかいきしお

2024年01月22日 11時52分

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