君は彼女を殺せるかい?
商談が成立し部屋をあとにしようとしたその時だった。 彼から問いかけられた一言に時が止まった。 あまりにも唐突で予想していなかった一言に私は聞き返すしかなかった。 その後、彼から聞かされた話は 「彼女の力は破壊、消滅させるだけでなく、そのモノのマナを自らに吸収してしまう。それにより世界に再分配されるマナが枯渇し、崩壊の一途を辿っている。彼女が死ねばそのマナも開放される」というもの。 うすうす感づいてはいた。 人ひとりが作り出せる量のマナではないと、そして何よりどんなに使っても尽きることがないこと。 「なぜ彼女はそんな力を?」 この問に対する答えが更に私を追い詰めた。 「彼女はそう作られたからさ...大戦の最終兵器としてね」