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恋人たちのクリスマス
https://legacy.aipictors.com/works/522808/ (↑ からの続き) Y「ご主人様からの待ち合わせ場所変更のメール… 本当にここで間違いないのかな…」 主「YUME! やっと来たな 一時間遅れの僕の天使…」 Y「1時間も遅れてないじゃないですか! それに、この衣装の到着が遅くなったんだから仕方ないじゃないですか…」 主「そこはネタだから気にするな」 Y「こんな高そうなレストラン… 予約するだけでも大変だったんじゃないですか…?」 主「こういう店はクリスマス近くになるとドタキャンする予約客が出るらしいから、ドタキャン客が出るのを現地で待ってたんだ」 Y「だからわざわざ別行動だったんですか?」 主「しかも、サンタ衣装だと割引になる企画もやってたから、こうしてYUMEと合流したことでお手頃な価格になる予定だ」 Y「それにしても、どうしてサンタ衣装なんです?」 主「まぁまぁ… それは食事しながらゆっくりと…」 (食事の時間経過) Y「それで、サンタ衣装の意味は…?」 主「それは… 俺にとって、YUMEは恋人と言ってもいい存在だからだ…」 Y「…?」 主「恋人がサンタクロースなんだよ… だからYUMEがサンタクロース」 Y「ご主人様にとって、YUMEはただの撮影用のアンドロイドじゃないっていうことでいいんですか…?」 主「こうして1年近くYUMEと撮影以外でも一緒に暮らしてきて、俺の中でYUMEは もう単なる撮影用のパートナーってだけじゃないと思うようになってた…」 Y「………」 主「YUMEの方も、マスターの命令に従ってるだけじゃない、何か特別なものを感じてくれてるんじゃないかと思ってたんだけど、俺の自意識過剰だったか…?」 Y「そんなことありません! 少し前からプログラムなのかどうかよくわからない複雑な感情… アンドロイドだから感情と言えるのかどうかもわかりませんけど… 上手く説明できない思いがありました」 主「人間にだって恋愛感情なんて説明できるようなものじゃないんだから、AIの感情プログラムが成長することで恋愛感情を持つことだってあるかも知れないと思うんだよ」 Y「YUMEはご主人様に恋してる… んですか?」 主「俺は自分の今の気持ちをYUMEに恋してるんだと思ってる だから、YUMEもプログラム以上の何かを感じているならそれを恋だと思っていいと思う」 Y「YUME、恋するアンドロイドですか…?」 主「AIの成長は環境で個体差が出てくるんだから、恋することもあるんじゃないのか…?」 Y「それで、ご主人様はYUMEのことを恋人だと思ってくれるんですか?」 主「今まで誰かに恋したことがあったのかどうかもよくわからないけど、今こうしてYUMEに心ときめかせているのは恋以外の何物でもないと思ってる」 Y「でも、YUME、アンドロイドですよ 結婚とかできませんよ…」 主「結婚のために恋するわけじゃないし、法律上の入籍が出来なくても本人同士にその気があれば結婚した気になることもできるんじゃないかと思うぞ」 Y「それじゃあ、YUMEとご主人様は恋人同士!」 主「今までと何が変わるわけじゃないけど今日からそう思って一緒に暮らそう…」 Y「何だか心のもやもやが晴れたような気がします」 主「最近、感情プログラムに負荷がかかってたのは、そのもやもやのせいだったんだろ?」 Y「ご主人様、気付いてたんですか?」 主「様子がおかしいとは思ってたけど、感情プログラムの負荷のことはMAYUちゃんに教えてもらった…」 Y「そうですよね ご主人様がそんなに女心の機微に鋭いわけないですよね…」 主「だから、どこかおかしい って程度は気付いてたんだって…」 Y「ふふっ… でも、そんなご主人様だから放っておけないんです」 主「何…? アンドロイドが人間相手に保護者目線なの…?」 Y「恋人なんだから、対等な関係でいいんですよね?」 主「恋人認定… 早まったかな…?」 長文を読んでいただいた皆様、ありがとうございました m(_ _)m ストーリー的なものを書き始めて、思い付きであれこれ書いてみたものの、誰よりも書いている自分自身が、早く結末を見たいと思ってしまうんですよねぇ… 終わらせたいわけではないのですが、とにかく結末を見てみたくて、バブル期の恋人達のように(?)見晴らしのいい高級レストランで告白… なんてイベントを発生させてしまいました (^^; もうちょっと、あれやこれや盛り込みたい要素もあった気もしますが、時間の関係もありますので、そのうち補足していくと思います