坂の上の響子さん ⑦
めぞん一刻、原作者公認の2次創作に 「約束の向こう側」がある。 五代くんと響子さん。 ふたりの間に生まれた娘の春香。 幼い彼女が育っていく過程が 写真に映し出される。 二人に愛されて、やがて大人になっていく彼女。 そのアルバムを、そっと五代くんの手が閉じる。 薬指に金色の指輪をしたその手は、 とても年老いていて。 杖をつき、立ち上がる彼は、喪服を着ている。 「1日でいいから。私より長生きして」 というプロポーズの時に交わした、 響子さんとの約束は果たされたのだろう。 杖をつき歩き出した五代くんは、 少しずつ学生時代の彼に若返っていき、 一刻館に続く坂を駆け上がっていく。 そこには、懐かしい住人たちの顔と 箒を持った若かりし頃の彼女の姿があった。 「約束を守ってくれて。ありがとう」 そこのシーンを作りました。 やっと、僕も成仏出来ますわ。