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「ボブカットエルフの奇妙な冒険」
「この森も迷路みたい。恋と一緒だな」ボブカットの髪が揺れるたび、リーフィアはそうつぶやいた。彼女は自然の中で最も自由なエルフ、しかし、その自由さが時として周りを困らせることも。 「リーフィア、また木の実を勝手に食べて!それは毒だって何度も言ったでしょ!」仲間のエルフ、フィオレル が叫ぶ。 「冗談、顔だけにしろよ。毒ならもうとっくに倒れてるよ。」リーフィアは笑いながら答えた。 彼らの冒険は、とある伝説の宝を探す旅だった。しかし、リーフィアは宝よりも道中の楽しみに夢中。彼女のわがままが引き起こすトラブルを、フィオレル はいつも何とかしていた。 ある日、彼らは謎の洞窟を発見する。中には、光り輝く宝石が。リーフィアは手を伸ばすが、フィオレル が制止する。 「待って、これは罠かもしれない。」 「恋と一緒だな、ドキドキするね。」リーフィアは笑いながら宝石を掴むと、洞窟は突然明るく輝き始めた。 宝石は実は、森を守る精霊の力を封じ込めたものだった。リーフィアの無邪気な行動が、精霊を解放し、森は再び平和を取り戻す。 「ありがとう、リーフィア。君のおかげで、森は救われたよ。」精霊は微笑むと、消えていった。 リーフィアは何も言わず、ただ嬉しそうに笑った。フィオレル もまた、彼女の笑顔に心を和ませた。 朝露が葉を濡らす森の中、リーフィアは新しい日の光を浴びて目覚めた。彼女のボブカットは、朝日に照らされて金色に輝き、その一本一本が生命を宿しているかのようだった。彼女の周りでは、花々が優しく揺れ、小鳥たちが歌を奏でている。この平和な光景は、まるで彼女の心のようだった。